【2024年最新】仮想通貨のおすすめ取引所10選を徹底比較

仮想通貨のおすすめ取引所、10選を徹底比較

2024年現在、仮想通貨(暗号資産)は単なる投資対象としてだけでなく、NFT(非代替性トークン)やDeFi(分散型金融)といった新しい技術の基盤としても注目を集めています。ビットコインETFの承認など、市場の成熟を示すニュースも増え、これから仮想通貨取引を始めたいと考える人も多いでしょう。

しかし、いざ始めようとすると「どの取引所を選べばいいのかわからない」という壁にぶつかります。国内だけでも数十社の仮想通貨取引所が存在し、それぞれ手数料、取扱通貨、サービス内容が大きく異なるため、自分の投資スタイルや目的に合わない取引所を選んでしまうと、思わぬコストがかかったり、やりたい取引ができなかったりする可能性があります。

この記事では、数ある国内の仮想通貨取引所の中から、特におすすめの10社を厳選し、その特徴を徹底的に比較・解説します。 手数料の安さ、取扱通貨の多さ、アプリの使いやすさ、セキュリティの信頼性といった多角的な視点から、あなたに最適な取引所を見つけるための手助けをします。

さらに、取引所選びの具体的なポイント、仮想通貨取引の基礎知識、口座開設から取引開始までの具体的なステップ、そして忘れてはならないリスクや税金の話まで、初心者が知りたい情報を網羅的にまとめました。

この記事を読めば、仮想通貨取引所の全体像を把握し、自信を持って自分に合った一社を選び、スムーズに取引をスタートできるようになります。さあ、未来の金融システムへの第一歩を、最適な取引所選びから始めましょう。

【一覧表】仮想通貨おすすめ取引所10社を徹底比較

まずは、この記事で詳しく解説するおすすめの仮想通貨取引所10社の特徴を一覧表で比較してみましょう。各取引所の強みやサービス概要を把握することで、自分に合った取引所を見つけるための第一歩となります。

取引所名 取扱通貨数 (現物) 取引手数料 (取引所) 入金手数料 (日本円) 特徴
Coincheck 29種類 無料 無料 (銀行振込は手数料自己負担) アプリダウンロード数No.1。初心者でも使いやすいUI/UX。NFTマーケットプレイスも充実。
DMM Bitcoin 38種類 (レバレッジ) 無料 (BitMatch手数料あり) 無料 レバレッジ取引の取扱通貨数が豊富。独自のBitMatch注文でコストを抑えられる可能性。
bitFlyer 22種類 約0.01%~0.15% 無料 (住信SBIネット銀行以外は330円) 国内最大級の取引量とユーザー数。セキュリティ体制に定評あり。TポイントをBTCに交換可能。
GMOコイン 26種類 Maker: -0.01%, Taker: 0.05% 無料 オリコン顧客満足度調査で高評価。各種手数料が無料で、取引コストを抑えたい人におすすめ。
bitbank 38種類 Maker: -0.02%, Taker: 0.12% 無料 アルトコインの取引量が国内トップクラス。トレーディングビュー採用で本格的なチャート分析が可能。
SBI VCトレード 23種類 Maker: -0.01%, Taker: 0.05% 無料 SBIグループが運営する信頼性。入出金・送金手数料が無料で、コストパフォーマンスが高い。
楽天ウォレット 9種類 Maker: -0.01%, Taker: 0.03% 無料 楽天ポイントを仮想通貨に交換可能。楽天グループのサービスとの連携が強み。
Zaif 15種類 0%~0.1% 金額により変動 独自のトークン取引や自動積立サービスが特徴。ユニークなサービスを提供。
LINE BITMAX 7種類 Maker: -0.01%, Taker: 0.05% 無料 (LINE Pay連携) LINEアプリから手軽に取引可能。1円から始められるため、超少額投資に最適。
BITTRADE 41種類 Maker: -0.02%~, Taker: 0.05%~ 無料 (一部方法で手数料あり) 世界レベルのセキュリティと豊富な取扱通貨数が魅力。グローバル基準のサービスを提供。

※上記の情報は2024年6月時点の各社公式サイトの情報を基に作成しています。手数料や取扱通貨数は変更される可能性があるため、口座開設の際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

この表はあくまで概要です。各取引所には、ここに書ききれない多くの特徴やメリットがあります。例えば、Coincheckの強みは圧倒的な使いやすさにあり、初心者にとっては最高の入門用取引所と言えるでしょう。一方で、bitbankは本格的なチャート分析ツールを求める中〜上級者に支持されています。また、GMOコインやSBI VCトレードは、手数料の安さを徹底的に追求したいトレーダーにとって非常に魅力的です。

次の章からは、あなたの目的別にどの取引所が最適なのかを、より具体的に掘り下げていきます。「手数料を安くしたい」「とにかく簡単に始めたい」「色々な通貨を取引したい」といったニーズに合わせて、最適な選択肢を提案します。

【目的別】あなたにピッタリな仮想通貨取引所の選び方

手数料を安く抑えたい人向けの取引所、初心者で簡単な操作性を求める人向けの取引所、多くの種類の仮想通貨を取引したい人向けの取引所、NFT取引やIEOに興味がある人向けの取引所

仮想通貨取引所を選ぶ際、最も重要なのは「自分の目的や投資スタイルに合っているか」という点です。ここでは、代表的な4つの目的別に、それぞれどのような特徴を持つ取引所が適しているのかを具体的に解説します。

手数料を安く抑えたい人向けの取引所

仮想通貨取引で利益を最大化するためには、取引ごとにかかるコスト、すなわち「手数料」をいかに低く抑えるかが極めて重要です。特に、頻繁に売買を繰り返す短期トレーダーや、大きな金額を動かす投資家にとって、手数料の差は最終的な損益に直接的な影響を与えます。

手数料には、取引手数料、入出金手数料、そして販売所のスプレッドなど、いくつかの種類があります。これらを総合的に見て安い取引所を選ぶことが賢明です。

手数料を安く抑えたい人におすすめなのは、GMOコインやSBI VCトレード、bitbankのような取引所です。

  • GMOコイン: 入出金手数料や送金手数料が無料であることに加え、取引所形式では「Maker手数料がマイナス(-0.01%)」という大きな特徴があります。Maker(メイカー)とは、板にない価格で注文を出す人のことで、取引の流動性を提供する役割を担います。GMOコインでは、Makerとして取引が成立すると、手数料を支払うどころか、逆に報酬を受け取れるのです。このため、指値注文を主体とするトレーダーにとっては、取引すればするほどコスト面で有利になります。
  • SBI VCトレード: こちらもGMOコインと同様に、日本円の入出金手数料や暗号資産の預入・送付手数料が無料です。金融大手SBIグループの安心感に加えて、コストを気にせず資金を移動できるのは大きなメリットです。取引手数料もMakerがマイナス(-0.01%)に設定されており、コスト意識の高いユーザーから強い支持を得ています。
  • bitbank: bitbankもMaker手数料がマイナス(-0.02%)であり、取引すればするほど手数料が還元される仕組みです。特にbitbankはアルトコインの取引量が国内トップクラスであり、流動性が高いという特徴があります。これにより、「取引したい価格で、取引したい量の注文が通りやすい」というメリットが生まれます。手数料が安いだけでなく、快適な取引環境も両立しているのが強みです。

これらの取引所は、一見すると微々たる差に見える手数料体系で、他社との差別化を図っています。特に「Maker手数料がマイナス」である点は、中長期的な資産形成において無視できないアドバンテージとなるでしょう。 自分の取引スタイルが、指値注文を中心とする「Maker」になりそうか、成行注文を中心とする「Taker」になりそうかを考えながら選ぶことが重要です。

初心者で簡単な操作性を求める人向けの取引所

仮想通貨取引をこれから始める初心者にとって、最も大きなハードルは「操作の複雑さ」です。専門用語が並ぶ取引画面や、煩雑な注文方法を前にして、挫折してしまうケースは少なくありません。そのため、初心者が最初に選ぶべきは、直感的で分かりやすい操作画面(UI/UX)を提供している取引所です。

このカテゴリで特におすすめなのが、Coincheck(コインチェック)DMM Bitcoinです。

  • Coincheck(コインチェック): 「アプリダウンロード数No.1」(※対象:国内の暗号資産取引アプリ、期間:2019年〜2023年、データ協力:App Tweak)という実績が示す通り、そのアプリの使いやすさは多くのユーザーに支持されています。特に販売所の画面は非常にシンプルで、「どの通貨を」「いくら分買うか」を選ぶだけで、誰でも簡単に仮想通貨を購入できます。複雑なチャート分析や注文方法を覚える必要がなく、まさに「スマホでサクッと始めたい」というニーズに完璧に応えています。また、取扱通貨数が豊富であるため、ビットコインやイーサリアムだけでなく、様々なアルトコインへの投資もこのシンプルな操作で始められるのが魅力です。
  • DMM Bitcoin: DMM.comグループが運営するこの取引所も、初心者向けの配慮が行き届いています。特に、取引画面のモードをシンプル版と高機能版(STモード/EXモード)で切り替えられる点が秀逸です。最初はシンプルモードで基本的な売買に慣れ、取引に習熟してきたらEXモードで詳細なチャート分析や多様な注文方法に挑戦するという、ステップアップ式の学習が可能です。また、カスタマーサポートが充実しており、LINEでの問い合わせに365日対応している点も、不明点が多い初心者にとっては心強い味方となるでしょう。

これらの取引所は、「まずは少額から仮想通貨の世界に触れてみたい」という初心者の気持ちに寄り添った設計になっています。難しいことは後回しにして、まずは「仮想通貨を保有する」という体験をスムーズに行えることが、継続的な学習と投資へのモチベーションを維持する上で非常に重要です。

多くの種類の仮想通貨を取引したい人向けの取引所

ビットコインやイーサリアムといった主要な通貨だけでなく、将来性の高いアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)にも投資してみたいと考える人にとって、取引所が扱う通貨の種類は重要な選択基準です。多様な通貨を扱うことで、ポートフォリオを分散させ、リスクを管理しやすくなるほか、将来的に価格が大きく上昇する可能性を秘めた「お宝銘柄」を発見する楽しみもあります。

取扱通貨の豊富さで選ぶなら、Coincheck、bitbank、BITTRADEが有力な候補となります。

  • Coincheck: 2024年6月時点で国内最多クラスの29種類の仮想通貨を取り扱っています。エンジンコイン(ENJ)やサンド(SAND)といったメタバース・NFT関連の銘柄から、チェーンリンク(LINK)のようなDeFi関連銘柄まで、幅広いジャンルの通貨が揃っています。新しい通貨の上場にも積極的で、常に市場のトレンドを追いかけたい投資家にとって魅力的なプラットフォームです。
  • bitbank: こちらも38種類と非常に多くの通貨を扱っており、特に全ての取扱通貨が「取引所」形式で売買できる点が大きな強みです。多くの取引所では、マイナーなアルトコインはスプレッドの広い「販売所」でしか扱っていないことが多い中、bitbankではユーザー間で直接売買するため、コストを抑えた取引が可能です。本格的なトレーダーがアルトコインを取引する際の第一候補となりうる取引所です。
  • BITTRADE(ビットトレード): 2024年6月時点で国内No.1の41種類という圧倒的な取扱通貨数を誇ります。他の国内取引所では見かけないような珍しい銘柄も多く、グローバルな視点でアルトコイン投資を行いたいユーザーのニーズに応えます。世界170カ国以上でサービス展開する親会社のノウハウを活かし、多様な選択肢を提供している点が特徴です。

多くの種類の仮想通貨を取引することは、大きなリターンを得るチャンスがある一方で、価格変動リスクや情報の少ない通貨を扱うリスクも伴います。取扱通貨の多さだけで選ぶのではなく、それぞれの通貨がどのようなプロジェクトで、どのような技術に基づいているのかを自分自身で調べ、理解した上で投資することが成功の鍵となります。

NFT取引やIEOに興味がある人向けの取引所

仮想通貨の用途は、単なる売買や決済に留まりません。近年では、デジタルアートやゲーム内アイテムの所有権を証明する「NFT(非代替性トークン)」や、取引所が主体となってプロジェクトの資金調達を支援する「IEO(Initial Exchange Offering)」といった新しい分野が急速に拡大しています。

これらの先進的なサービスに興味がある場合、対応する機能を持つ取引所を選ぶ必要があります。

NFTやIEOに強い取引所としては、CoincheckとbitFlyerが代表的です。

  • Coincheck: 日本国内におけるNFT取引のパイオニア的存在です。「Coincheck NFT」というマーケットプレイスを運営しており、ユーザーはCoincheckのアカウントを使って、日本円で直接NFTを売買できます。通常、NFTの売買にはイーサリアム(ETH)などの仮想通貨が必要で、ガス代(ネットワーク手数料)もかかりますが、「Coincheck NFT」ではこれらが不要なため、初心者でも非常に手軽にNFTの世界に足を踏み入れることができます。また、過去には国内初のIEO案件を成功させた実績もあり、今後の新しいプロジェクトにも期待が持てます。
  • bitFlyer: こちらもNFT関連サービスに力を入れています。子会社を通じて独自のブロックチェーン「Miyabi」を開発し、NFTの発行や管理を容易にするプラットフォームを提供しています。また、ユーザーがbitFlyerのアカウントでログインし、様々なブロックチェーンゲームやNFTプロジェクトと連携できるサービスも展開しており、仮想通貨取引とNFT・GameFi(ゲームで稼ぐ)の世界をシームレスに繋ぐ役割を果たしています。IEOに関しても、過去に実施実績があり、今後の展開が注目されます。

NFTやIEOは、大きな利益を生む可能性がある一方で、プロジェクトの価値がゼロになるリスクも伴う、非常にハイリスク・ハイリターンな投資分野です。これらのサービスを利用する際は、単なる流行に乗るのではなく、プロジェクトの将来性や技術的な背景を深く理解し、失っても生活に影響のない範囲の資金で参加することが鉄則です。

仮想通貨のおすすめ取引所10選

ここからは、前章までで紹介した選び方を踏まえ、国内で人気と実績のある仮想通貨取引所10社について、それぞれの特徴、メリット・デメリット、手数料などをより詳しく解説していきます。各取引所の詳細を比較検討し、自分に最適な一社を見つけてください。

① Coincheck(コインチェック)

Coincheckは、マネックスグループ株式会社の傘下にあるコインチェック株式会社が運営する仮想通貨取引所です。何よりも特筆すべきはその圧倒的な使いやすさで、特にスマートフォンアプリのUI/UXは高く評価されており、「アプリダウンロード数No.1」の実績を誇ります。

主な特徴

  • 直感的で分かりやすいアプリ: 販売所の画面は非常にシンプル。「どの通貨を」「いくら分買うか」を選ぶだけで、初心者でも迷うことなく取引を始められます。
  • 豊富な取扱通貨数: 2024年6月時点で29種類と、国内取引所の中でもトップクラスのラインナップを誇ります。ビットコインやイーサリアムはもちろん、人気のアルトコインまで幅広くカバーしています。
  • 充実した関連サービス: 「Coincheck NFT」というNFTマーケットプレイスを運営しており、日本円で手軽にNFTを売買できます。また、仮想通貨を貸し出して利息を得る「貸暗号資産サービス」や、毎月一定額を自動で積み立てる「Coincheckつみたて」など、取引以外の資産運用サービスも充実しています。

メリット

  • 初心者が仮想通貨取引の第一歩を踏み出すのに最適。
  • 多様なアルトコインやNFTに一つのプラットフォームで投資できる。
  • つみたて投資や貸暗号資産で手間なく資産運用ができる。

デメリット

  • 販売所のスプレッド(売値と買値の差)が広めに設定されているため、短期的な売買を繰り返すとコストがかさむ傾向がある。
  • 取引所形式で売買できる通貨が一部に限られている。

こんな人におすすめ

  • とにかく簡単に仮想通貨取引を始めたい初心者。
  • ビットコインだけでなく、様々なアルトコインやNFTにも興味がある人。
  • 長期的な視点でつみたて投資をしたい人。

手数料情報(2024年6月時点)

  • 口座開設手数料: 無料
  • 取引手数料(販売所): 無料(スプレッドあり)
  • 取引手数料(取引所): 無料
  • 日本円入金手数料: 銀行振込は利用者負担、コンビニ入金・クイック入金は770円〜
  • 日本円出金手数料: 407円

参照:コインチェック株式会社 公式サイト

② DMM Bitcoin

DMM Bitcoinは、株式会社DMM.comのグループ企業である株式会社DMM Bitcoinが運営する取引所です。最大の特徴は、レバレッジ取引に対応している通貨の種類が国内最多クラスであることです。現物取引だけでなく、少ない資金で大きな利益を狙えるレバレッジ取引に挑戦したいユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢となります。

主な特徴

  • 豊富なレバレッジ対応通貨: 2024年6月時点で38種類の仮想通貨でレバレッジ取引が可能です。主要通貨はもちろん、多様なアルトコインで売り(ショート)からも取引を始められます。
  • 独自の「BitMatch注文」: DMM Bitcoinが提示するミッド(仲値)価格で取引が成立する注文方法です。スプレッドを気にすることなく、コストを抑えて取引できる可能性があります。
  • 初心者にも上級者にも対応: 取引ツールは、シンプルな操作性の「STモード」と、高機能なチャートや多彩な注文方法を備えた「EXモード」を切り替えられます。ユーザーの習熟度に合わせて利用できる点が便利です。
  • 充実のサポート体制: 365日、LINEや問い合わせフォームでのサポートに対応しており、初心者でも安心して利用できます。

メリット

  • 多様なアルトコインでレバレッジ取引ができる。
  • BitMatch注文により、取引コストを低減できる可能性がある。
  • 各種手数料(入出金・送金)が無料。

デメリット

  • 現物取引ができるのは販売所形式のみで、取扱通貨数もレバレッジ取引に比べて少ない。
  • 取引所形式でのユーザー間取引ができない。

こんな人におすすめ

  • レバレッジ取引をメインに考えているトレーダー。
  • 様々なアルトコインでアクティブに取引したい人。
  • 手数料コストをできるだけ抑えたい人。

手数料情報(2024年6月時点)

  • 口座開設手数料: 無料
  • 取引手数料(販売所): 無料(スプレッドあり)
  • BitMatch取引手数料: 注文の金額に応じて変動
  • 日本円入出金手数料: 無料
  • 暗号資産送付手数料: 無料

参照:株式会社DMM Bitcoin 公式サイト

③ bitFlyer(ビットフライヤー)

株式会社bitFlyerが運営するbitFlyerは、国内最大級のユーザー数と取引量を誇る、日本を代表する仮想通貨取引所の一つです。長年の運営実績と、強固なセキュリティ体制により、多くのユーザーから信頼を得ています。

主な特徴

  • 高い流動性と安定した取引環境: ビットコインの取引量は国内トップクラスであり、「買いたい時に買え、売りたい時に売れる」という安定した取引環境を提供しています。
  • 業界最高水準のセキュリティ: 創業以来ハッキング被害ゼロという実績(2024年6月時点)が、そのセキュリティレベルの高さを物語っています。顧客資産の分別管理やマルチシグ対応など、万全の対策を講じています。
  • 多様なサービスの展開: ビットコインがもらえる「bitFlyerクレカ」や、Tポイントをビットコインに交換できるサービスなど、日常生活と仮想通貨を繋ぐユニークなサービスを展開しています。
  • 高機能な取引ツール「bitFlyer Lightning」: プロのトレーダーも満足させる高機能な取引ツールを提供。現物取引、FX、先物取引に対応しており、多彩な注文方法が可能です。

メリット

  • 取引量が多く、注文が通りやすい。
  • セキュリティが高く、安心して資産を預けられる。
  • クレジットカードやポイント連携など、仮想通貨を身近に感じられるサービスが豊富。

デメリット

  • 一部のアルトコインは販売所でのみ取扱いとなり、スプレッドが広め。
  • 入金方法によっては手数料がかかる場合がある。

こんな人におすすめ

  • セキュリティと信頼性を最も重視する人。
  • ビットコインをメインに安定した環境で取引したい人。
  • ポイント活用など、お得に仮想通貨を始めたい人。

手数料情報(2024年6月時点)

  • 口座開設手数料: 無料
  • 取引手数料(販売所): 無料(スプレッドあり)
  • 取引手数料(取引所/BTC): 約0.01% ~ 0.15%(直近30日の取引量に応じて変動)
  • 日本円入金手数料: 銀行振込は利用者負担、クイック入金は330円(住信SBIネット銀行は無料)
  • 日本円出金手数料: 220円~770円(利用銀行、金額により変動)

参照:株式会社bitFlyer 公式サイト

④ GMOコイン

GMOコインは、東証プライム上場のGMOインターネットグループに属するGMOコイン株式会社が運営する取引所です。オリコン顧客満足度調査の「暗号資産取引所 現物取引」部門で何度も1位を獲得するなど、ユーザーからの評価が非常に高いのが特徴です。

主な特徴

  • 業界最安水準の手数料体系: 日本円の入出金手数料、暗号資産の預入・送付手数料がすべて無料です。さらに、取引所形式ではMaker手数料が-0.01%のマイナス手数料となっており、取引すればするほど手数料がもらえるという、トレーダーにとって非常に有利な条件を提供しています。
  • 豊富なサービスラインナップ: 現物取引、レバレッジ取引はもちろん、暗号資産FX、貸暗号資産、IEO、ステーキングなど、仮想通貨に関連するあらゆるサービスを網羅しています。
  • 信頼のGMOグループ: 金融サービスの運営実績が豊富なGMOグループが運営しているという安心感は、大きなメリットです。強固なセキュリティ体制も構築されています。

メリット

  • あらゆる手数料が安く、トータルコストを大幅に削減できる。
  • 取引から資産運用まで、一つの口座で完結できる。
  • 取扱通貨数が多く、レバレッジ取引にも対応している。

デメリット

  • 多機能であるがゆえに、アプリの操作が初心者には少し複雑に感じられる可能性がある。
  • 最低送付数量が他の取引所に比べて高めに設定されている通貨がある。

こんな人におすすめ

  • 取引コストを徹底的に抑えたいトレーダー。
  • 一つの取引所で様々な仮想通貨サービスを利用したい人。
  • 大手グループの安心感を重視する人。

手数料情報(2024年6月時点)

  • 口座開設手数料: 無料
  • 取引手数料(販売所): 無料(スプレッドあり)
  • 取引手数料(取引所): Maker -0.01%, Taker 0.05% (一部通貨で異なる)
  • 日本円入出金手数料: 無料
  • 暗号資産送付手数料: 無料

参照:GMOコイン株式会社 公式サイト

⑤ bitbank(ビットバンク)

bitbank株式会社が運営するbitbankは、アルトコインの取引に強みを持つ取引所として知られています。特に、取引所形式でのアルトコイン取引量が国内トップクラスであり、多くのトレーダーに支持されています。

主な特徴

  • 高い流動性を持つアルトコイン取引: 38種類という豊富な取扱通貨のほぼすべてが、スプレッドの狭い「取引所」形式で売買できます。これにより、コストを抑えつつ、快適なアルトコイン取引が可能です。
  • 高性能なチャートツール: 世界中のトレーダーに利用されている「TradingView(トレーディングビュー)」を標準搭載。60種類以上のテクニカル指標を使って、本格的なチャート分析がスマホアプリでもPCでも行えます。
  • 堅牢なセキュリティ: 第三者機関による評価で国内No.1を獲得した実績もあり、セキュリティ対策には定評があります。コールドウォレットやマルチシグなど、業界標準の対策を徹底しています。
  • マイナス手数料の採用: 取引所のMaker手数料は-0.02%となっており、指値注文が約定すると手数料が還元されます。

メリット

  • スプレッドの狭い取引所形式で、多様なアルトコインを売買できる。
  • 高度なチャート分析が可能で、テクニカル分析を重視するトレーダーに最適。
  • セキュリティレベルが高く、安心して利用できる。

デメリット

  • 販売所形式がないため、取引板の操作に慣れていない初心者には少しハードルが高いかもしれない。
  • レバレッジ取引には対応していない。

こんな人におすすめ

  • アルトコインの現物取引をメインに行いたいトレーダー。
  • チャートを見ながら本格的なテクニカル分析をしたい人。
  • 取引コストを抑えつつ、流動性の高い環境で取引したい人。

手数料情報(2024年6月時点)

  • 口座開設手数料: 無料
  • 取引手数料(取引所): Maker -0.02%, Taker 0.12% (一部キャンペーン等で変動あり)
  • 日本円入金手数料: 無料(銀行振込手数料は利用者負担)
  • 日本円出金手数料: 550円 / 770円(3万円未満/以上)

参照:bitbank株式会社 公式サイト

⑥ SBI VCトレード

SBI VCトレードは、金融業界の巨人であるSBIホールディングス株式会社の子会社が運営する仮想通貨取引所です。SBIグループが長年培ってきた金融ノウハウと信頼性が最大の武器であり、安心して取引できる環境を求めるユーザーに適しています。

主な特徴

  • SBIグループの信頼性とセキュリティ: ネット証券やネット銀行などで実績のあるSBIグループが運営。グループ全体で培われた高度なセキュリティ基準が適用されており、安心感は抜群です。
  • 各種手数料が無料: 日本円の入出金手数料、暗号資産の入出庫手数料がすべて無料となっており、非常にコストパフォーマンスが高いです。
  • ユニークなサービス: 少額から始められる「積立暗号資産」や、保有しているだけで報酬が得られる「ステーキングサービス」、貸し出して金利を得る「レンディング」など、取引以外のサービスも充実しています。
  • スプレッドの狭さ: 販売所のスプレッドが業界最狭水準を謳っており、初心者でもコストを意識せずに取引しやすい環境を提供しています。

メリット

  • 大手金融グループ運営による絶対的な安心感。
  • 各種手数料が無料で、トータルコストを抑えられる。
  • ステーキングなど、長期保有向けのサービスが充実している。

デメリット

  • 他の大手取引所と比較すると、アプリの機能や操作性がやや発展途上との声もある。
  • 取引所の流動性が、トップクラスの取引所と比較するとやや低い場合がある。

こんな人におすすめ

  • 運営会社の信頼性とセキュリティを最優先したい人。
  • 手数料を気にせず、頻繁に資金を移動させたい人。
  • 長期保有を前提としたステーキングや積立に興味がある人。

手数料情報(2024年6月時点)

  • 口座開設手数料: 無料
  • 取引手数料(販売所): 無料(スプレッドあり)
  • 取引手数料(取引所): Maker -0.01%, Taker 0.05%
  • 日本円入出金手数料: 無料
  • 暗号資産入出庫手数料: 無料

参照:SBI VCトレード株式会社 公式サイト

⑦ 楽天ウォレット

楽天ウォレットは、その名の通り楽天グループ株式会社の子会社が運営する仮想通貨取引所です。最大の魅力は、楽天グループの各種サービスとの強力な連携にあります。特に、楽天ポイントを仮想通貨に交換できるサービスは、多くの楽天ユーザーにとって大きなメリットです。

主な特徴

  • 楽天ポイントで仮想通貨投資: 貯まった楽天ポイントを100ポイントから仮想通貨に交換できます。「現金で投資するのは少し怖い」と感じる初心者でも、ポイントを使って気軽に仮想通貨投資を体験できます。
  • 楽天キャッシュへのチャージ: 保有する仮想通貨を売却して、電子マネー「楽天キャッシュ」にチャージできます。楽天市場や楽天ペイでの支払いに利用でき、仮想通貨を実生活で活用する出口戦略が明確です。
  • シンプルなアプリ: アプリは現物取引に特化しており、非常にシンプルで分かりやすい設計になっています。初心者でも迷うことなく操作が可能です。

メリット

  • 楽天ポイントを使って、元手ゼロで仮想通貨投資を始められる。
  • 楽天経済圏のサービスとの連携がスムーズ。
  • 楽天グループ運営の安心感がある。

デメリット

  • 取扱通貨数が9種類と、他の取引所に比べて少ない。
  • レバレッジ取引や取引所形式での売買には対応しておらず、販売所のみの提供。
  • 本格的なトレーダーには機能面で物足りない可能性がある。

こんな人におすすめ

  • 普段から楽天のサービスをよく利用する人。
  • 貯まったポイントを有効活用して仮想通貨を始めてみたい初心者。
  • 複雑な機能は不要で、とにかく手軽に始めたい人。

手数料情報(2024年6月時点)

  • 口座開設手数料: 無料
  • 取引手数料(販売所): 無料(スプレッドあり)
  • 取引手数料(取引所): Maker -0.01%, Taker 0.03%
  • 日本円入金手数料: 無料
  • 日本円出金手数料: 300円

参照:楽天ウォレット株式会社 公式サイト

⑧ Zaif(ザイフ)

Zaifは、株式会社カイカエクスチェンジが運営する、個性的なサービスで知られる仮想通貨取引所です。他の取引所にはないユニークな機能を提供しており、特定のニーズを持つユーザーから根強い人気があります。

主な特徴

  • 自動積立サービス「Zaifコイン積立」: 毎月指定した金額を銀行口座から自動で引き落とし、希望の仮想通貨を自動で購入してくれるサービスです。ドル・コスト平均法を手間なく実践でき、長期的な資産形成を目指す人に最適です。
  • 独自トークンの取扱い: Zaif自身が発行する「ザイフトークン(ZAIF)」をはじめ、他の取引所ではあまり見かけないユニークなトークンを取引できます。
  • ソーシャルチップ機能: Twitter(X)のアカウントと連携させることで、ユーザー間で仮想通貨を「チップ」として送り合うことができます。クリエイター支援などに活用できる面白い機能です。

メリット

  • 手間いらずの自動積立サービスが利用できる。
  • 他の取引所にはない、珍しいトークンを取引できる可能性がある。
  • 指値注文の手数料が安い、または無料の通貨ペアがある。

デメリット

  • 過去にハッキング被害に遭った経緯があり、セキュリティ面を不安視する声もある(現在は経営体制が変わり、対策は強化されている)。
  • アプリの操作性や全体的なシステムが、最新の取引所と比較するとやや古さを感じる部分がある。

こんな人におすすめ

  • 感情に左右されず、コツコツと積立投資を続けたい人。
  • 他の人が持っていないような、ニッチなトークンに投資してみたい人。
  • ユニークなサービスを使ってみたい技術的好奇心の強い人。

手数料情報(2024年6月時点)

  • 口座開設手数料: 無料
  • 取引手数料(取引所): 0% ~ 0.1% (通貨ペアにより異なる)
  • 日本円入金手数料: 銀行振込は利用者負担、コンビニ入金・ペイジー入金は金額により変動
  • 日本円出金手数料: 385円~770円

参照:株式会社カイカエクスチェンジ 公式サイト

⑨ LINE BITMAX

LINE BITMAXは、LINEのグループ企業であるLINE Xenesis株式会社が運営しています。最大の強みは、月間9,600万人以上が利用するコミュニケーションアプリ「LINE」から直接アクセスできる手軽さです。

主な特徴

  • LINEアプリから簡単アクセス: 普段使っているLINEアプリの「ウォレット」タブからすぐにアクセスでき、シームレスに取引を始められます。新たに専用アプリをダウンロードする必要がありません。
  • 1円からの超少額投資: 1円という非常に小さな単位から仮想通貨を売買できるため、お小遣い程度の金額からでも気軽に投資を体験できます。
  • LINE Payとの連携: LINE Payからの入金や、LINE Payへの出金に対応しており、資金の移動が非常にスムーズです。
  • 貸暗号資産サービス「貸して増やす」: 保有している仮想通貨を貸し出すことで、期間と数量に応じた貸借料を受け取れるサービスも提供しています。

メリット

  • LINEユーザーであれば、誰でもすぐに始められる手軽さ。
  • 超少額から投資できるため、初心者の最初のステップとして最適。
  • シンプルで分かりやすいインターフェース。

デメリット

  • 取扱通貨数が7種類と少なく、選択肢が限られる。
  • 販売所形式のみで、レバレッジ取引には対応していない。
  • 本格的なチャート分析機能などは搭載されていない。

こんな人におすすめ

  • LINEを日常的に利用している人。
  • まずは数百円程度の少額から仮想通貨を試してみたい超初心者。
  • 複雑な機能は一切不要で、手軽さを最優先したい人。

手数料情報(2024年6月時点)

  • 口座開設手数料: 無料
  • 取引手数料(販売所): 無料(スプレッドあり)
  • 取引手数料(取引所): Maker -0.01%, Taker 0.05%
  • 日本円入金手数料: LINE Pay・銀行口座からの入金は無料
  • 日本円出金手数料: LINE Payへの出金は110円、銀行口座への出金は400円

参照:LINE Xenesis株式会社 公式サイト

⑩ BITTRADE(ビットトレード)

BITTRADEは、世界170カ国以上で数百万人のユーザーを抱えるグローバルな仮想通貨取引所Huobi(フォビ)グループの一員です。そのグローバル基準のサービスを日本の法規制に準拠した形で提供しており、豊富な取扱通貨数と世界レベルのセキュリティが魅力です。

主な特徴

  • 国内No.1の取扱通貨数: 2024年6月時点で41種類という、国内の取引所では最多の通貨を取り扱っています。グローバルで注目されている新しいアルトコインにもいち早く対応する傾向があります。
  • 世界水準のセキュリティ: 親会社であるHuobiグループが長年培ってきた、世界トップクラスのセキュリティ技術とノウハウが導入されています。
  • 2円からの少額取引: 多くの通貨が数百円単位から取引可能で、初心者でも始めやすい設定になっています。
  • 高機能な取引ツール: シンプルな「販売所」と、豊富な注文方法やチャート分析が可能な「取引所」の両方を提供しており、初心者から上級者まで幅広いニーズに対応しています。

メリット

  • 他の国内取引所では扱っていない、多様なアルトコインに投資できる。
  • グローバル基準の堅牢なセキュリティ体制。
  • 取引所形式も利用でき、コストを抑えた取引が可能。

デメリット

  • 海外発の取引所であるため、一部の表現やサポート対応に若干の翻訳調が感じられる場合があるかもしれない。
  • 国内での知名度は、CoincheckやbitFlyerなどに比べるとまだ低い。

こんな人におすすめ

  • とにかく多くの種類のアルトコインを取引したい人。
  • グローバルな視点で投資先を選びたい人。
  • 世界レベルのセキュリティ環境で安心して取引したい人。

手数料情報(2024年6月時点)

  • 口座開設手数料: 無料
  • 取引手数料(販売所): 無料(スプレッドあり)
  • 取引手数料(取引所): 通貨ペアや取引量により変動(Maker -0.02%~, Taker 0.05%~)
  • 日本円入金手数料: 無料(振込手数料は利用者負担)
  • 日本円出金手数料: 330円

参照:ビットトレード株式会社 公式サイト

失敗しない仮想通貨取引所の選び方7つのポイント

手数料の安さ、取扱通貨の種類の多さ、アプリや取引ツールの使いやすさ、セキュリティ対策の信頼性、取引量の多さ(流動性の高さ)、最小取引単位の小ささ、レンディングなど関連サービスの充実度

数ある取引所の中から自分に最適な一社を選ぶためには、いくつかの重要な比較ポイントがあります。ここでは、取引所選びで失敗しないための7つの具体的なチェックポイントを詳しく解説します。

① 手数料の安さ

手数料は、あなたの利益に直接影響を与える重要な要素です。一回の取引では小さく見える手数料も、積み重なると大きなコストになります。主にチェックすべき手数料は以下の4つです。

口座開設・維持手数料

現在、国内のほとんどの仮想通貨取引所では、口座の開設手数料や維持手数料は無料です。もしこれらの手数料を要求する業者があれば、それは認可を受けていない悪質な業者の可能性が高いので注意が必要です。口座を作るだけならコストはかからないため、気になる取引所をいくつか開設してみて、使い勝手を比較するのも良い方法です。

取引手数料(Maker/Taker)

「取引所」形式で売買する際にかかる手数料です。注文方法によって「Maker手数料」と「Taker手数料」に分かれます。

  • Maker(メイカー): 取引板にまだない価格で注文を出す人(指値注文など)。取引の流動性(売買の活発さ)を生み出す存在です。
  • Taker(テイカー): 取引板にすでにある価格で注文を成立させる人(成行注文など)。取引の流動性を利用する存在です。

一般的にTaker手数料の方が高く設定されています。GMOコインやbitbankのように、Maker手数料をマイナスに設定している取引所もあり、指値注文が約定すると逆に報酬がもらえます。 自分の取引スタイルに合わせて、どちらの手数料が有利になるかを確認しましょう。

入出金手数料

取引を始めるためには日本円を入金し、利益が出たら出金する必要があります。この際にかかるのが入出金手数料です。

  • 入金手数料: 「クイック入金(即時入金)」は無料の取引所が多いですが、銀行振込の場合は振込手数料が自己負担となることが一般的です。
  • 出金手数料: 1回あたり300円〜770円程度かかることが多いです。

GMOコインやSBI VCトレードのように、これらの入出金手数料が完全に無料の取引所もあります。 頻繁に資金を移動させる予定がある人は、この点を重視すると良いでしょう。

スプレッド(販売所)

「販売所」形式で取引する際にかかる、実質的な手数料が「スプレッド」です。スプレッドとは、購入価格と売却価格の差額のことで、取引所がこの差額を利益としています。例えば、ある仮想通貨の購入価格が101円、売却価格が99円の場合、スプレッドは2円です。

販売所は操作が簡単で初心者向けですが、このスプレッドが取引所形式に比べて広く(高く)設定されているため、短期的な売買を繰り返すとコストがかさみます。一見「手数料無料」と謳われていても、スプレッドという形でコストを負担していることを理解しておくことが重要です。

② 取扱通貨の種類の多さ

仮想通貨はビットコインだけではありません。イーサリアム、リップルをはじめ、数千種類もの「アルトコイン」が存在します。取扱通貨数が多い取引所を選ぶことには、以下のようなメリットがあります。

  • 投資機会の拡大: 将来的に大きな成長が見込める、まだあまり知られていない通貨に投資できる可能性があります。
  • ポートフォリオの分散: 複数の通貨に資産を分散させることで、特定の通貨が暴落した際のリスクを低減できます。

ただし、草コイン(時価総額が非常に小さい無名のコイン)は価格変動が非常に激しく、価値がゼロになるリスクも高いことを忘れてはいけません。取扱通貨の多さは魅力ですが、投資する際は必ずその通貨のプロジェクト内容や将来性を自分で調べてから判断しましょう。国内ではCoincheckやBITTRADEが豊富なラインナップを誇ります。

③ アプリや取引ツールの使いやすさ

仮想通貨取引は、スマートフォンアプリやPCのブラウザツールを使って行います。このツールの使いやすさは、取引の快適さや正確性に直結します。

  • 初心者向け: Coincheckや楽天ウォレットのように、画面がシンプルで直感的に操作できるアプリがおすすめです。難しい専門用語が少なく、売買操作が簡単なものが良いでしょう。
  • 中〜上級者向け: bitbankやbitFlyer Lightningのように、高性能なチャートツール「TradingView」を搭載し、多彩なテクニカル分析ができるツールが適しています。描画ツールやインジケーターの種類が豊富なほど、より高度な分析が可能です。

多くの取引所では、口座開設前にアプリのデモ画面を見ることができます。ダウンロードして実際の操作感を試してみるのが、自分に合ったツールを見つける一番の近道です。

④ セキュリティ対策の信頼性

仮想通貨はデジタルデータであるため、ハッキングや不正アクセスのリスクが常に伴います。大切な資産を守るためにも、取引所のセキュリティ対策は最も重要なチェックポイントの一つです。

確認すべき主なセキュリティ対策は以下の通りです。

  • 金融庁への登録: 日本国内で仮想通貨交換業を行うには、金融庁への登録が法律で義務付けられています。必ず登録済みの業者を選びましょう。
  • 顧客資産の分別管理: 会社自身の資産と、顧客から預かった資産を明確に分けて管理しているか。これにより、万が一取引所が破綻しても顧客の資産は保護されます。
  • コールドウォレットでの保管: インターネットから完全に切り離された「コールドウォレット」で顧客資産の大部分を保管しているか。オンライン上にある「ホットウォレット」に比べ、ハッキングリスクが格段に低くなります。
  • 二段階認証の設定: ログイン時や送金時に、パスワードに加えてスマートフォンアプリなどで生成される確認コードの入力を求める仕組みです。これはユーザー自身が必ず設定すべき項目です。

bitFlyerやGMOコイン、SBI VCトレードなど、大手や金融系の取引所は特にセキュリティに力を入れています。公式サイトでどのような対策を講じているかを明記しているか確認しましょう。

⑤ 取引量の多さ(流動性の高さ)

取引量が多いということは、その取引所で多くのユーザーが活発に売買していることを意味します。これは「流動性が高い」とも言われ、以下のようなメリットがあります。

  • 注文が成立しやすい: 売りたい人と買いたい人が常にたくさんいるため、「売りたい価格で売れない」「買いたい価格で買えない」といった事態が起こりにくくなります。
  • 価格の安定性: 大口の注文が入っても価格が急激に変動しにくく、安定した取引が可能です。
  • スリッページの抑制: 注文した価格と実際に約定した価格のズレ(スリッページ)が発生しにくくなります。

特に、取引所形式で頻繁に売買するトレーダーにとって、流動性の高さは非常に重要です。bitFlyerやbitbankは、国内でも特に取引量が多いことで知られています。

⑥ 最小取引単位の小ささ

「仮想通貨は高額で手が出せない」と思っている方もいるかもしれませんが、それは誤解です。多くの取引所では、非常に小さな単位から仮想通貨を購入できます。

最小取引単位が小さいほど、少額から投資を始めることができます。 例えば、ビットコインが1,000万円の時でも、最小取引単位が0.0001 BTCであれば、1,000円から購入可能です。

  • Coincheck: 500円から
  • LINE BITMAX: 1円から
  • SBI VCトレード: 0.0001 BTCなど(通貨による)

特に初心者の方は、まずは失っても問題ない少額から始めて、値動きに慣れていくのがおすすめです。最小取引単位は、各取引所の公式サイトや取引画面で確認できます。

⑦ レンディングなど関連サービスの充実度

仮想通貨の魅力は、売買による差益(キャピタルゲイン)だけではありません。保有している通貨を活用して、銀行の利息のように収益を得る(インカムゲイン)方法もあります。

  • レンディング(貸暗号資産): 保有する仮想通貨を取引所に一定期間貸し出すことで、利息を受け取れるサービスです。GMOコインやCoincheckなどが提供しています。
  • ステーキング: 特定のコンセンサスアルゴリズム(PoSなど)を採用する仮想通貨を保有しているだけで、ネットワークの維持に貢献した報酬として、新たな通貨を受け取れる仕組みです。SBI VCトレードやGMOコインなどで利用できます。
  • IEO(Initial Exchange Offering): 取引所が審査・支援する新規プロジェクトのトークンを、上場前に先行販売するイベントです。将来有望なプロジェクトに参加できる可能性があります。

これらのサービスが充実している取引所を選ぶことで、単純な売買だけでなく、より多様な戦略で資産を増やせる可能性があります。 自分の投資スタイルに合ったサービスがあるかどうかも、チェックしてみましょう。

仮想通貨取引を始める前に知っておくべき基礎知識

仮想通貨取引所とは、「取引所」と「販売所」の違い、「現物取引」と「レバレッジ取引」の違い、国内取引所と海外取引所の違いと注意点

取引所を選び、口座を開設する前に、仮想通貨取引の基本的な仕組みや用語を理解しておくことは非常に重要です。ここでは、初心者が最低限知っておくべき4つの基礎知識を解説します。

仮想通貨取引所とは

仮想通貨取引所(暗号資産交換業者)とは、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を売買したい人たちを仲介するプラットフォームです。私たちが日本円や米ドルを交換するために銀行を利用するように、仮想通貨を売買するためにはこの取引所を利用するのが一般的です。

取引所の主な役割は以下の通りです。

  1. 売買のマッチング: 仮想通貨を「売りたい人」と「買いたい人」の注文を繋ぎ合わせ、取引を成立させます。
  2. 価格の提示: 常に変動する仮想通貨の現在価格をリアルタイムで提示します。
  3. 資産の管理: ユーザーから預かった日本円や仮想通貨を安全に保管・管理します。

日本では、金融庁に登録された暗号資産交換業者でなければ営業できません。この登録制度により、利用者の保護やマネー・ローンダリング対策が義務付けられており、安心して取引できる環境が整備されています。

「取引所」と「販売所」の違い

多くの仮想通貨取引所には、「取引所」と「販売所」という2つの売買形式が用意されています。この違いを理解することは、コストを抑えて賢く取引するために不可欠です。

項目 取引所形式 販売所形式
取引相手 他のユーザー 仮想通貨取引所(業者)
価格決定 ユーザー間の需要と供給(板取引) 取引所が提示する価格
手数料 取引手数料(0%~0.2%程度) 無料(ただしスプレッドが広い)
メリット ・コストが安い
・指値注文など細かい価格設定が可能
・操作がシンプルで簡単
・提示された価格ですぐに約定する
デメリット ・板取引の知識が必要
・希望価格で約定しないことがある
・スプレッドが広く、実質的なコストが高い
向いている人 中~上級者、コストを抑えたい人 初心者、すぐに確実に売買したい人

初心者のうちは、操作が簡単な「販売所」から始めるのが分かりやすいですが、取引に慣れてきたら、コストを大幅に節約できる「取引所」形式の利用に挑戦してみることを強くおすすめします。 特に、bitbankのように多くのアルトコインを取引所形式で扱っているプラットフォームは、中級者以上にとって非常に価値が高いと言えます。

「現物取引」と「レバレッジ取引」の違い

仮想通貨の取引方法には、大きく分けて「現物取引」と「レバレッジ取引」の2種類があります。

  • 現物取引 (Spot Trading)
    自己資金の範囲内で仮想通貨を実際に売買する取引です。例えば、10万円の資金があれば、10万円分のビットコインを購入できます。購入した仮想通貨は自分の資産となり、他のウォレットへの送金も可能です。価格が購入時より上がったときに売却すれば利益となり、下がれば損失となります。シンプルで分かりやすく、損失は投資した金額に限定されるため、初心者向けの取引方法です。
  • レバレッジ取引 (Leverage Trading)
    取引所に証拠金(担保となる資金)を預け、それを元に自己資金の何倍もの金額の取引を行う方法です。例えば、10万円の証拠金でレバレッジ2倍をかければ、20万円分の取引ができます。

    • メリット: 少ない資金で大きな利益を狙えます。また、価格が下落すると予測した場合に「売り(ショート)」から入ることもでき、下落相場でも利益を出すチャンスがあります。
    • デメリット: 利益が大きくなる可能性がある一方、損失も同様に大きくなります。 予測と反対に価格が動くと、預けた証拠金以上の損失を被る可能性もあります。一定の損失が出ると、さらなる損失拡大を防ぐために強制的に決済される「ロスカット」という仕組みがあります。

レバレッジ取引はハイリスク・ハイリターンであり、相場の知識と経験が必要な上級者向けの取引方法です。 初心者の方は、まず現物取引で経験を積むことから始めましょう。レバレッジ取引に強いのはDMM BitcoinやGMOコインです。

国内取引所と海外取引所の違いと注意点

仮想通貨取引所は日本国内だけでなく、海外にも数多く存在します。それぞれにメリット・デメリットがあります。

  • 国内取引所
    • メリット: 金融庁の認可を受けており、日本の法律で保護されています。 サイトやサポートも当然日本語対応で、日本円で直接入出金できるため安心です。資産は分別管理が義務付けられています。
    • デメリット: 海外取引所に比べて、取扱通貨の種類やレバレッジ倍率、サービスの多様性などで劣る場合があります。
  • 海外取引所
    • メリット: 数百種類以上の通貨を扱っていたり、数十倍から百倍以上の高いレバレッジをかけられたりと、サービスの自由度が高いのが魅力です。
    • デメリット: 日本の法律による保護がありません。 サイトが日本語に対応していなかったり、サポートが不十分だったりする場合があります。また、ハッキングや突然のサービス停止、出金拒否といったトラブルに巻き込まれても、自己責任となるリスクが非常に高いです。

結論として、特に初心者の方や、安全性を最優先する方は、必ず金融庁に登録されている国内の取引所を利用すべきです。 海外取引所の利用は、十分な知識と経験を積み、リスクを完全に理解してから検討するようにしましょう。

仮想通貨取引の始め方3ステップ

取引所の口座を開設する、本人確認書類を提出する、日本円を入金して取引を開始する

仮想通貨取引を始めるまでの手順は、思ったよりも簡単です。どの取引所でも基本的には同じ流れで、スマートフォンさえあれば10分程度で申し込みが完了します。ここでは、口座開設から取引開始までの流れを3つのステップに分けて解説します。

① 取引所の口座を開設する

まず、利用したい仮想通貨取引所の公式サイトにアクセスし、「口座開設」のボタンをクリックします。

  1. メールアドレスの登録: 普段使用しているメールアドレスを入力し、登録します。すぐに取引所から確認メールが届くので、メール内のリンクをクリックして本登録に進みます。
  2. パスワードの設定: ログイン時に使用するパスワードを設定します。セキュリティのため、他のサービスで使っているものとは違う、推測されにくい複雑なパスワード(英大文字・小文字・数字・記号を組み合わせたもの)を設定しましょう。
  3. 基本情報の入力: 氏名、住所、生年月日、電話番号、職業、年収、投資経験などの個人情報を入力します。これらの情報は、犯罪収益移転防止法に基づいて正確に入力する必要があります。

この段階ではまだ仮登録の状態です。次に進む本人確認が完了して初めて、取引ができるようになります。

② 本人確認書類を提出する

次に、登録した個人情報が正しいことを証明するために、本人確認(KYC: Know Your Customer)を行います。これは、マネー・ローンダリングやテロ資金供与を防ぐために法律で義務付けられている手続きです。

現在、主流となっているのは「スマホでかんたん本人確認(eKYC)」という方法です。

  1. 本人確認書類の準備: 以下のいずれかの書類を手元に用意します。
    • 運転免許証
    • マイナンバーカード(通知カードは不可)
    • パスポート(2020年2月以前に発行されたもの)
    • 在留カード
  2. 書類の撮影: スマートフォンのカメラで、本人確認書類の表面、裏面、厚みを撮影します。画面の指示に従って、鮮明に写るように撮影しましょう。
  3. 顔写真の撮影: 次に、自分の顔を撮影します。こちらも画面の指示に従い、正面からの顔や、首を振るなどの動作を撮影します。

この方法を利用すれば、最短で当日中、早ければ数時間で審査が完了し、口座開設が完了します。 郵送での本人確認も可能ですが、書類のやり取りに1週間程度かかるため、すぐに取引を始めたい方はスマートフォンでの手続きがおすすめです。

③ 日本円を入金して取引を開始する

本人確認が完了し、口座が有効になったら、いよいよ取引の元手となる日本円を入金します。主な入金方法は以下の3つです。

  1. 銀行振込: 取引所が指定する銀行口座に、自分の銀行口座から振り込みます。振込手数料は自己負担になることが多いですが、大きな金額を一度に入金するのに適しています。
  2. クイック入金(インターネットバンキング入金): 提携している金融機関のインターネットバンキングを利用して、24時間365日ほぼリアルタイムで入金する方法です。手数料が無料の取引所が多く、最も便利で一般的な方法です。
  3. コンビニ入金: 一部の取引所で対応しており、コンビニの端末を操作して現金で入金します。手軽ですが、手数料が割高な場合があります。

入金が口座に反映されたら、準備は完了です。Coincheckのような初心者向けの取引所であれば、「販売所」で希望の通貨を選び、購入したい金額を入力するだけで、最初の仮想通貨を手に入れることができます。

仮想通貨取引の注意点とリスク管理

価格が急激に変動するリスク、ハッキングや不正ログインのリスクと対策、仮想通貨取引で利益が出た場合の税金について

仮想通貨は大きな利益をもたらす可能性がある一方で、相応のリスクも伴います。安全に取引を続けるためには、これらのリスクを正しく理解し、適切な管理を行うことが不可欠です。

価格が急激に変動するリスク

仮想通貨の最大の特徴であり、同時に最大のリスクでもあるのが「ボラティリティ(価格変動率)の高さ」です。株や為替といった伝統的な金融商品と比較して、仮想通貨の価格は短時間で数十パーセントも上下することが珍しくありません。

価格変動の要因は様々です。

  • 世界的な金融情勢や各国の規制動向
  • 技術的なアップデートや新しいサービスの発表
  • 著名人やインフルエンサーの発言
  • ハッキング事件などのネガティブニュース

このような急激な価格変動リスクに対処するためには、以下の点を心掛けることが重要です。

  • 必ず余剰資金で投資する: 生活費や将来のために必要なお金を投資に回すのは絶対にやめましょう。万が一、投資した資金がゼロになっても生活に影響が出ない範囲で行うのが鉄則です。
  • 長期的な視点を持つ: 短期的な価格の上下に一喜一憂せず、その通貨の技術や将来性を信じて長期的に保有するスタンスも有効です。
  • 分散投資を心掛ける: 一つの通貨に全資産を集中させるのではなく、ビットコインやイーサリアムといった比較的安定した通貨と、いくつかのアルトコインに分散させることで、リスクを低減できます。

ハッキングや不正ログインのリスクと対策

取引所のセキュリティがどれだけ強固でも、ユーザー個人のアカウント管理が甘ければ、資産を盗まれてしまうリスクがあります。自分の資産は自分で守るという意識が重要です。

  • 取引所のリスク: 過去には国内外の取引所がハッキングの標的となり、多額の仮想通貨が流出する事件が発生しました。金融庁登録業者を選ぶことや、コールドウォレットでの管理を徹底している取引所を選ぶことが第一の防御策です。
  • 個人のリスク: 詐欺師は、フィッシングメール(偽のメールで偽サイトに誘導し、IDやパスワードを盗む)やSNSでの甘い誘い文句など、様々な手口であなたの資産を狙っています。

個人でできる具体的な対策

  1. 二段階認証を必ず設定する: 最も基本的かつ効果的な対策です。ログイン時や送金時に、パスワードに加えてスマートフォンアプリ(Google Authenticatorなど)で生成されるワンタイムパスワードの入力を必須にすることで、不正ログインを大幅に防げます。
  2. パスワードを複雑にし、使い回さない: 他のサービスと同じパスワードを使うのは非常に危険です。仮想通貨取引所専用の、推測されにくい複雑なパスワードを設定しましょう。
  3. 安易にフリーWi-Fiに接続しない: 公共のWi-Fiは通信が暗号化されていない場合があり、通信内容を盗み見られるリスクがあります。取引所の操作は、信頼できるネットワーク環境で行いましょう。
  4. 不審なメールやURLは絶対に開かない: 取引所を騙るメールには注意し、必ずブックマークなどから公式サイトにアクセスする習慣をつけましょう。

仮想通貨取引で利益が出た場合の税金について

仮想通貨取引で得た利益は、所得税の課税対象となります。税金に関するルールを知らないと、後で追徴課税などのペナルティを受ける可能性もあるため、必ず理解しておきましょう。

  • 所得区分: 仮想通貨の利益は、原則として「雑所得」に分類されます。
  • 課税対象となるタイミング: 利益が確定する主なタイミングは以下の通りです。
    • 仮想通貨を売却して日本円に換金した時
    • 保有する仮想通貨で他の仮想通貨を購入した時
    • 仮想通貨で商品やサービスを購入した時
  • 確定申告の必要性:
    • 給与所得者の場合: 給与以外の所得(仮想通貨の利益を含む)が年間で20万円を超えた場合に確定申告が必要です。
    • 被扶養者の場合: 年間の合計所得が48万円を超えた場合に確定申告が必要です。
  • 税率: 雑所得は「総合課税」の対象となり、給与所得など他の所得と合算した総所得金額に応じて税率が決まります。税率は所得額に応じて5%から最大45%の累進課税となります(住民税10%が別途かかります)。

年間の取引履歴は必ず保管し、利益計算を正確に行う必要があります。 多くの取引所では、年間の取引レポートをダウンロードできる機能があります。計算が複雑で不安な場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

仮想通貨取引所に関するよくある質問

複数の取引所で口座を開設するのは問題ない?、初心者はまずどの仮想通貨を買うべき?、スマホアプリだけで取引は完結できる?、仮想通貨の保管はどうすればいい?ウォレットは必要?、利益が出たら確定申告は必要?

最後に、仮想通貨取引所に関して初心者が抱きやすい疑問について、Q&A形式でお答えします。

複数の取引所で口座を開設するのは問題ない?

全く問題ありません。むしろ、複数の口座を持つことには多くのメリットがあります。

  • リスク分散: 万が一、一つの取引所でシステム障害やハッキングが発生しても、他の取引所に資産を分散させておくことで、全資産を失うリスクを回避できます。
  • 目的別の使い分け: 例えば、「メインの長期保有はセキュリティに強いbitFlyerで」「アルトコインの短期取引は取引手数料が安いbitbankで」「NFTの購入はCoincheckで」といったように、各取引所の強みを活かした使い分けが可能です。
  • 機会損失の防止: ある取引所でしか扱っていない通貨や、特定の取引所だけで開催されるIEOなどに参加する機会を逃しません。

デメリットとしては資産管理が少し煩雑になる点が挙げられますが、それを上回るメリットがあるため、2〜3社の口座を開設しておくことをおすすめします。

初心者はまずどの仮想通貨を買うべき?

特定の通貨を推奨することはできませんが、初心者が最初に購入する通貨を選ぶ際の一般的な考え方として、まずは時価総額が大きく、最も知名度と流動性が高い「ビットコイン(BTC)」や「イーサリアム(ETH)」から始めるのが王道です。

これらの通貨は、市場の基軸通貨として広く認知されており、情報量も豊富です。まずは少額のビットコインやイーサリアムを購入し、値動きに慣れることから始めましょう。その後、興味を持った分野(DeFi, NFT, メタバースなど)のアルトコインを調べて、ポートフォリオに少しずつ加えていくのが良いでしょう。重要なのは、自分で調べ、納得した上で投資することです。

スマホアプリだけで取引は完結できる?

はい、ほとんどの取引所で、口座開設から本人確認、入出金、売買まで、すべての手続きがスマートフォンアプリだけで完結します。

近年のアプリは非常に高機能になっており、簡単なチャート分析やニュースの確認も可能です。外出先でも手軽に市況をチェックし、取引できるのは大きなメリットです。ただし、複数のチャートを同時に表示したり、高度なテクニカル分析を行ったりする場合は、やはり画面の大きいPC版の取引ツールの方が適しています。 日常的な取引はスマホで、本格的な分析はPCで、というように使い分けるのが良いでしょう。

仮想通貨の保管はどうすればいい?ウォレットは必要?

仮想通貨の保管方法には、大きく分けて2つの選択肢があります。

  1. 取引所に預けたままにする(ホットウォレット): 最も手軽な方法です。取引所のセキュリティに依存しますが、すぐに売買できる利便性があります。ただし、取引所がハッキングされるリスクはゼロではありません。
  2. 自分でウォレットを作成して管理する(コールドウォレットなど):
    • ソフトウェアウォレット: PCやスマホにインストールするアプリ形式のウォレット。手軽ですが、デバイスがウイルスに感染するリスクがあります。
    • ハードウェアウォレット: USBメモリのような専用デバイスで、オフラインで秘密鍵を管理します。最もセキュリティが高い保管方法とされています。

頻繁に取引する少額の資産は取引所に、長期的に保有する高額な資産はハードウェアウォレットに、といった形で使い分けるのが理想的です。 ただし、ウォレットの自己管理は、秘密鍵やリカバリーフレーズを紛失すると資産を永久に失うリスクも伴います。まずは取引所のセキュリティ(特に二段階認証)を万全にした上で、資産が増えてきたらウォレットでの自己管理を検討するのが良いでしょう。

利益が出たら確定申告は必要?

はい、必要になる場合があります。

前述の通り、仮想通貨で得た利益(所得)は「雑所得」として課税対象になります。会社員など給与所得を得ている方の場合、仮想通貨取引による年間の利益(所得)が20万円を超えると、原則として確定申告が必要になります。

利益の計算は「売却価格 – 取得価格 – 手数料」が基本ですが、複数回にわたって売買した場合は、移動平均法や総平均法といった方法で取得価額を計算する必要があり、複雑になりがちです。年間取引報告書などを活用し、正確な損益を把握しておくことが重要です。不安な点があれば、国税庁のウェブサイトを確認するか、税務署や税理士に相談しましょう。