【2024年】仮想通貨おすすめアプリ12選 用途別ランキングで比較

仮想通貨おすすめアプリ12選、用途別ランキングで比較

近年、デジタル資産としての価値が注目され、投資対象として人気が高まっている仮想通貨(暗号資産)。その取引をより手軽に、そして身近にするのが「仮想通貨アプリ」です。スマートフォン一つで、いつでもどこでも価格のチェックから売買まで完結できる利便性は、多くの人々を仮想通貨の世界へと導いています。

しかし、一言で「仮想通貨アプリ」といっても、その種類は多岐にわたります。単純な売買機能を持つ取引所アプリから、資産を安全に保管するウォレットアプリ、複雑な損益計算を助ける管理アプリ、最新情報をキャッチアップするためのニュースアプリまで、その役割は様々です。

これから仮想通貨取引を始めようと考えている初心者の方にとっては、「どのアプリを選べば良いのか分からない」というのが正直なところではないでしょうか。また、すでに取引経験がある方でも、「もっと自分の投資スタイルに合ったアプリはないだろうか」と探しているかもしれません。

この記事では、そんな悩みを解決するために、仮想通貨アプリの基本的な種類から、失敗しないための選び方のポイント、そして2024年最新のおすすめアプリまで、網羅的に解説します。各アプリの特徴を「取引」「保管」「管理」「情報収集」といった用途別に比較し、あなたの目的に最適なアプリが見つかるようサポートします。

仮想通貨投資は、大きなリターンが期待できる一方で、価格変動リスクやセキュリティリスクも伴います。だからこそ、信頼できるアプリを選び、正しい知識を持って始めることが何よりも重要です。この記事が、あなたの仮想通貨投資の第一歩を、より安全で確実なものにするための一助となれば幸いです。

仮想通貨アプリとは?主な4つの種類

仮想通貨アプリとは?主な4つの種類

仮想通貨アプリは、スマートフォンやタブレット上で仮想通貨の取引、管理、情報収集などを行うために開発されたアプリケーションの総称です。これらのアプリを活用することで、時間や場所を選ばずに仮想通貨市場へアクセスできます。仮想通貨アプリは、その主な機能や目的に応じて、大きく分けて「取引所アプリ」「ウォレットアプリ」「ポートフォリオ管理・損益計算アプリ」「情報収集アプリ」の4種類に分類されます。それぞれの特徴を理解し、自分の目的に合ったアプリを使い分けることが、効率的で安全な仮想通貨投資の鍵となります。

取引所アプリ

取引所アプリは、仮想通貨の売買(購入・売却)を主目的としたアプリです。国内の暗号資産交換業者が提供しており、口座開設から日本円の入金、仮想通貨の取引、資産管理、日本円の出金まで、一連のプロセスをスマートフォン上で完結させられます。仮想通貨取引を始めたいと考えるほとんどの人が、まず最初に利用することになるのがこの取引所アプリです。

主な機能と役割

  • 仮想通貨の売買: 「販売所」形式と「取引所」形式の2つの方法で仮想通貨を売買できます。販売所は操作がシンプルで初心者向けですが、スプレッド(売値と買値の差)が実質的な手数料として広く設定されています。一方、取引所はユーザー同士で売買を行うため手数料が安い傾向にありますが、操作がやや複雑になります。
  • 日本円の入出金: 銀行振込やクイック入金など、様々な方法で日本円を入金し、取引の元手とします。利益が出た際には、日本円として銀行口座に出金することも可能です。
  • チャート分析: 各仮想通貨の価格推移をグラフで確認できます。移動平均線やボリンジャーバンドといったテクニカル指標を表示できる高機能なアプリもあり、本格的なトレード分析にも対応します。
  • 資産管理: 現在保有している仮想通貨の種類や数量、その時点での日本円換算額などを一覧で確認できます。
  • プッシュ通知: 設定した価格に到達したことを知らせる価格アラート機能や、重要なニュースを通知する機能などがあります。

どのような人におすすめか
取引所アプリは、これから仮想常貨取引を始めたい初心者から、頻繁に売買を行うアクティブなトレーダーまで、すべての仮想通貨投資家にとって必須のアプリと言えます。特に、初めて仮想通貨に触れる方は、まず信頼できる国内の取引所アプリをダウンロードし、口座開設をするところからスタートするのが一般的です。Coincheck(コインチェック)やbitFlyer(ビットフライヤー)などが代表的な取引所アプリです。

メリットと注意点
最大のメリットは、一つのアプリで仮想通貨投資に関する基本的な操作がすべて完結する利便性の高さです。一方で、注意点として、取引所ごとに取扱銘柄の数や種類、各種手数料、アプリの操作性などが大きく異なる点が挙げられます。また、取引所に資産を預けている状態は、その取引所のセキュリティに依存することになるため、信頼性の高い運営会社が提供するアプリを選ぶことが極めて重要です。

ウォレットアプリ

ウォレットアプリは、仮想通貨を安全に「保管」し、個人間で「送受信」することに特化したアプリです。取引所が銀行のような役割を果たすのに対し、ウォレットは自分だけの「お財布」や「金庫」に例えられます。取引所にも資産を保管する機能はありますが、より高いセキュリティレベルで自己管理したい場合や、DeFi(分散型金融)、NFT(非代替性トークン)といったブロックチェーン上のサービスを利用する際に必要となります。

主な機能と役割

  • 仮想通貨の保管・管理: 購入した仮想通貨を取引所からウォレットに移して保管します。ウォレットアプリでは、資産へのアクセス権を証明する「秘密鍵」をユーザー自身が管理します。これにより、取引所のハッキングなどのリスクから資産を隔離できます。
  • 仮想通貨の送受信: 他のウォレットや取引所との間で、仮想通貨を直接送受信できます。QRコードを読み取るだけで簡単かつ迅速に送金手続きができるアプリも多くあります。
  • DApps(分散型アプリケーション)への接続: ウォレットアプリは、DeFiプロトコルでの資金運用(レンディングやステーキングなど)や、NFTマーケットプレイスでのNFT売買といった、様々なDAppsと連携するためのゲートウェイとしての役割を果たします。

どのような人におすすめか

  • 仮想通貨を長期的に保有(ガチホ)したい人: 取引所に置きっぱなしにするのではなく、自分で管理することでセキュリティを高めたい人におすすめです。
  • DeFiやNFTに挑戦したい人: これらのサービスを利用するには、多くの場合、MetaMask(メタマスク)のようなウォレットアプリが必須となります。
  • 個人間で仮想通貨のやり取りをしたい人: 知人への送金や、商品・サービスの決済手段として仮想通貨を利用したい場合に必要です。

メリットと注意点
最大のメリットは、秘密鍵を自己管理することによるセキュリティの高さです。取引所が万が一破綻したりハッキングされたりしても、ウォレット内の資産は安全です。しかし、これは同時に最大の注意点でもあります。秘密鍵や、それを復元するための「リカバリーフレーズ(シードフレーズ)」を紛失したり、他人に盗まれたりすると、資産を永久に失うリスクがあります。 管理責任はすべて自分にあるということを強く認識する必要があります。また、ウォレットアプリには、常にオンラインに接続されている「ホットウォレット」と、オフラインで管理する「コールドウォレット」があり、モバイルアプリの多くは利便性の高いホットウォレットに分類されます。

ポートフォリオ管理・損益計算アプリ

ポートフォリオ管理・損益計算アプリは、複数の取引所やウォレットに分散している仮想通貨資産を一元的に管理し、複雑な損益計算を自動化してくれるアプリです。仮想通貨投資を進めていくと、A取引所でビットコインを、B取引所でアルトコインを、さらにウォレットでNFTを、といったように資産が分散しがちです。このアプリは、そうした状況で全体の資産状況を正確に把握し、確定申告の準備を効率化するために非常に役立ちます。

主な機能と役割

  • 資産の一元管理: 各取引所やウォレットとAPI連携(データ連携のための仕組み)を行うことで、保有資産の情報を自動で取得し、ダッシュボード上にまとめて表示します。これにより、総資産額や各通貨の保有比率などを一目で把握できます。
  • 損益の自動計算: 仮想通貨の税金計算は、売買のたびに取得原価を計算する必要があり、非常に複雑です。このアプリは、取引履歴データを基に、移動平均法や総平均法といった計算方法に則って年間の損益を自動で算出してくれます。
  • 確定申告用データの出力: 計算された損益結果を、確定申告で利用できる形式のファイル(年間取引報告書など)として出力する機能があります。

どのような人におすすめか

  • 複数の取引所やウォレットを利用している人: 資産が分散してしまい、全体の状況把握が難しくなっている人に最適です。
  • 年間の取引回数が多い人: 手動での損益計算が困難なほど頻繁に売買を行うトレーダーには必須のツールです。
  • 仮想通貨の確定申告が必要な人: 年間の利益が一定額を超え、確定申告が必要になったすべての人にとって、計算の手間を大幅に削減できる強力な味方となります。Gtax(ジータックス)などがこの種のアプリの代表例です。

メリットと注意点
メリットは、資産管理と確定申告にかかる時間と労力を劇的に削減できることです。手計算によるミスを防ぎ、正確な納税に繋がります。注意点としては、API連携の際にAPIキーの権限設定を慎重に行う必要があります。出金権限などを与えない「読み取り専用」で設定するなど、セキュリティには十分配慮しましょう。また、すべての取引所や通貨、取引方法(DeFiなど)に対応しているわけではないため、自分が利用しているサービスがサポート対象か事前に確認が必要です。

情報収集アプリ

情報収集アプリは、仮想通貨の価格動向、最新ニュース、市場分析など、投資判断に役立つ情報を効率的に集めるためのアプリです。価格変動の激しい仮想通貨市場において、迅速かつ正確な情報を得ることは、利益を最大化し、リスクを最小化するために不可欠です。

主な機能と役割

  • リアルタイム価格・チャート: ほぼすべての仮想通貨の現在価格、時価総額、取引量などをリアルタイムで追跡できます。
  • ニュースアグリゲーション: 国内外の主要な仮想通貨関連ニュースサイトやブログ、公式発表などを集約して配信します。日本語で海外の重要ニュースを読めるアプリは特に重宝します。
  • 価格アラート: 注目している通貨が特定の価格に達した際にプッシュ通知で知らせてくれます。取引のチャンスを逃しません。
  • ポートフォリオ機能: 簡易的なポートフォリオ管理機能を備えているものもあり、自分の保有資産の価格変動を追跡できます。

どのような人におすすめか
情報収集アプリは、初心者から上級者まで、すべての仮想通貨投資家におすすめです。特に、市場のトレンドをいち早く掴みたいアクティブトレーダーや、投資先のプロジェクトに関するファンダメンタルズ(基礎的要因)を深く分析したい長期投資家にとって、重要な情報源となります。CoinMarketCapやCoinPostなどが、このカテゴリで広く利用されています。

メリットと注意点
メリットは、膨大な情報の中から重要なものを効率的にフィルタリングし、情報収集にかかる時間を短縮できる点です。注意点としては、情報の質を見極めるリテラシーが求められることです。速報性のあるニュースの中には不確かな情報や噂が含まれることもあり、一つの情報源を鵜呑みにせず、複数のソースを確認する姿勢が大切です。また、情報の洪水に惑わされ、短期的な価格変動に一喜一憂してしまう「ポジポジ病」に陥らないよう、冷静な判断を心がける必要があります。

失敗しない仮想通貨アプリの選び方7つのポイント

利用目的に合っているか、取引したい仮想通貨があるか、各種手数料は安いか、アプリの操作性は高いか、セキュリティ対策は万全か、運営会社の信頼性とサーバーの安定性、少額から取引できるか

数多くの仮想通貨アプリの中から、自分に最適な一つを見つけ出すのは簡単なことではありません。デザインの好みや知名度だけで選んでしまうと、後々「手数料が高かった」「取引したい通貨がなかった」といった後悔に繋がる可能性があります。ここでは、仮想通貨アプリ選びで失敗しないために、必ずチェックしておきたい7つの重要なポイントを解説します。これらの基準を総合的に評価し、自身の投資スタイルや目的に合ったアプリを選びましょう。

① 利用目的に合っているか

まず最も重要なのは、「何のためにアプリを使うのか」という利用目的を明確にすることです。前章で解説したように、仮想通貨アプリにはそれぞれ得意な分野があります。

  • 単純に仮想通貨を売買したい初心者: 操作がシンプルで分かりやすいUI/UXを備えた取引所アプリが第一候補です。まずはビットコインなどの主要な通貨を少額から購入してみたい、というニーズに応えてくれます。
  • DeFiやNFTゲームに挑戦したい中〜上級者: 取引所アプリに加えて、DAppsとの連携が可能なウォレットアプリ(例:MetaMask)が必須となります。
  • 複数の取引所で資産を運用し、確定申告も視野に入れている人: 各所に散らばった資産を一元管理し、損益計算を自動化できるポートフォリオ管理アプリが役立ちます。
  • 市場の動向を常に把握し、トレードに活かしたい人: 最新ニュースや価格アラート機能が充実した情報収集アプリを併用するのがおすすめです。

このように、自分の目的を最初に定めることで、膨大な選択肢の中からチェックすべきアプリの種類を絞り込めます。まずは取引所アプリから始め、必要に応じて他の種類のアプリを追加していくのが一般的なステップです。

② 取引したい仮想通貨があるか

仮想通貨と一言でいっても、その種類は数千、数万とも言われています。代表的なビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)はほとんどの取引所アプリで取り扱っていますが、それ以外の「アルトコイン」と呼ばれる通貨については、アプリ(取引所)によって取扱いの有無や種類が大きく異なります。

  • 取扱銘柄数: まずはアプリが提供する取扱銘柄の総数を確認しましょう。数が多いほど、多様な通貨に投資するチャンスが広がります。特に、将来性のあるマイナーなアルトコインに早期から投資したいと考えている場合は、取扱銘柄数の多さが重要な選定基準となります。
  • 特定の銘柄の有無: 単に数が多いだけでなく、自分が投資したいと考えている特定の通貨がリストに含まれているかを必ず確認してください。例えば、「リップル(XRP)に投資したい」「柴犬コイン(SHIB)に興味がある」といった具体的な目標がある場合、その通貨を扱っている取引所を選ぶ必要があります。各取引所の公式サイトには、取扱通貨の一覧が掲載されているので、口座開設前に必ずチェックしましょう。

将来的に様々なアルトコインへの投資を考えているなら、初めから取扱銘柄が豊富なアプリを選んでおくと、後から別の取引所の口座を追加する手間が省けます。

③ 各種手数料は安いか

仮想通貨取引では、様々な場面で手数料が発生します。これらの手数料は、取引を重ねるごとに利益を圧迫する要因となるため、できるだけコストを抑えられるアプリを選ぶことが賢明です。主にチェックすべき手数料は以下の通りです。

手数料の種類 内容 チェックポイント
取引手数料 仮想通貨を売買する際に発生する手数料。「取引所」形式で発生し、Maker(メイカー)手数料とTaker(テイカー)手数料に分かれる場合がある。 無料キャンペーンを実施している取引所も多い。Maker手数料がマイナス(手数料がもらえる)の取引所もある。
スプレッド 「販売所」形式における売値と買値の差額。目に見えないが実質的な取引コストとなる。 スプレッドは固定ではなく常に変動する。一般的に取引所手数料より高コストになりがちだが、初心者には利便性が高い。
入出金手数料 日本円を取引所に入金したり、銀行口座に出金したりする際に発生する手数料。 クイック入金は無料だが、銀行振込は振込手数料が自己負担となることが多い。出金手数料も取引所によって異なる。
送金手数料 仮想通貨を他の取引所やウォレットに送金する際に発生する手数料。 通貨の種類や取引所によって大きく異なる。頻繁に資金を移動させる予定がある場合は特に重要。無料の取引所もある。

「手数料無料」という言葉だけに惑わされず、どの手数料が無料なのかを正確に把握することが重要です。 例えば、取引手数料が無料でもスプレッドが広かったり、入出金手数料が高かったりする場合があります。自分の取引スタイル(頻繁に売買するか、長期保有するか、資金を移動させるかなど)を考慮し、トータルでコストが最も安くなるアプリを選びましょう。

④ アプリの操作性は高いか

特に初心者にとって、アプリの操作性(UI/UX)は非常に重要な要素です。どれだけ高機能で手数料が安くても、使い方が分からなければ意味がありません。誤操作で意図しない取引をしてしまうリスクも考えられます。

  • デザインの直感性: メニューの配置が分かりやすく、どこをタップすれば何ができるのかが直感的に理解できるデザインかを確認しましょう。
  • チャートの見やすさ: 価格チャートの表示はスムーズか、拡大・縮小はしやすいか、時間足(分足、時間足、日足など)の切り替えは簡単か、といった点も重要です。
  • 注文プロセスの簡潔さ: 購入・売却の画面で、数量や金額の入力がしやすく、注文内容の確認画面が分かりやすいかどうかもチェックポイントです。

多くの取引所アプリは無料でダウンロードできるので、口座開設前に一度アプリを触ってみて、実際の画面デザインや操作感を確かめてみることをおすすめします。シンプルな画面構成を好む人もいれば、多機能な分析ツールが揃っていることを重視する人もいます。自分にとってストレスなく使えるアプリを選ぶことが、継続的な投資の第一歩です。

⑤ セキュリティ対策は万全か

仮想通貨はデジタルデータであるため、ハッキングによる資産流出のリスクが常に伴います。大切な資産を預ける以上、アプリ提供者のセキュリティ対策が万全であることは絶対条件です。

  • 金融庁への登録: 日本国内で仮想通貨交換業を営むには、金融庁・財務局への登録(暗号資産交換業者)が法律で義務付けられています。 これは、事業者の財務状況やセキュリティ体制、利用者保護の仕組みなどが国の基準を満たしていることの証明です。必ず登録済みの事業者を選びましょう。金融庁のウェブサイトで登録業者の一覧を確認できます。(参照:金融庁 暗号資産交換業者登録一覧)
  • 資産の分別管理: 法律により、事業者は自社の資産と顧客から預かった資産を明確に分けて管理(分別管理)することが義務付けられています。これにより、万が一事業者が破綻しても、顧客の資産は保護されます。
  • コールドウォレットの利用: 顧客資産の大部分を、インターネットから完全に切り離された「コールドウォレット」で保管しているかも重要な指標です。常時オンラインの「ホットウォレット」に比べて、ハッキングリスクを大幅に低減できます。
  • 二段階認証の提供: ログイン時や送金時などに、パスワードに加えてスマートフォンアプリ(Google Authenticatorなど)で生成される確認コードの入力を求める「二段階認証」は、不正アクセスを防ぐために必須の機能です。必ず設定しましょう。
  • マルチシグ対応: 送金などの重要な操作を行う際に、複数の秘密鍵を必要とする「マルチシグ」技術を導入しているか。これにより、内部犯行や単一の鍵の漏洩による不正送金を防ぎます。

これらのセキュリティ対策は、各取引所の公式サイトやホワイトペーパーなどで公表されています。口座開設前にしっかりと確認し、信頼できるアプリを選びましょう。

⑥ 運営会社の信頼性とサーバーの安定性

アプリの機能やセキュリティだけでなく、それを運営している会社の信頼性も重要な判断材料です。

  • 運営会社の規模と実績: 運営会社の親会社はどこか(大手金融グループや上場企業傘下か)、設立からの年数、資本金の額などを確認することで、その企業の安定性や信頼性を推し量ることができます。長年の運営実績があり、大きなトラブルを起こしていない企業は、信頼性が高いと言えるでしょう。
  • サーバーの安定性: 仮想通貨市場は、価格が急騰・急落する際に取引が殺到し、取引所のサーバーに大きな負荷がかかります。このとき、サーバーが弱く、アクセス障害やシステムダウンが頻発するようなアプリは避けるべきです。 売買したいタイミングで取引できず、大きな機会損失や意図しない損失に繋がる可能性があります。過去に大規模なサーバーダウンを起こしていないか、SNSやニュース検索で評判を確認するのも一つの方法です。

大手企業が運営しているアプリは、豊富な資金力や技術力を背景に、堅牢なサーバーインフラを構築している傾向があります。

⑦ 少額から取引できるか

特に仮想通貨投資が初めての方は、「いきなり大きな金額を投じるのは怖い」と感じるはずです。そこで重要になるのが、いくらから仮想通貨を購入できるか、という「最低取引単位」です。

多くの取引所では、数百円単位での購入が可能です。中には「1円」から取引できるアプリも存在します。
少額から始められるメリットは以下の通りです。

  • リスクの低減: まずは失っても生活に影響のない少額でスタートすることで、価格変動の感覚やアプリの操作に慣れることができます。
  • 心理的ハードルの低下: 「ワンコイン(500円)から始められる」と思えれば、仮想通貨投資への心理的なハードルがぐっと下がります。
  • 積立投資への応用: 少額から購入できるため、「毎月1,000円ずつビットコインを積み立てる」といった、ドルコスト平均法を用いた長期的な資産形成にも適しています。

「0.0001 BTC」のように通貨単位で最低取引単位が設定されている場合もありますが、初心者には「〇〇円から」と日本円で示されている方が分かりやすいでしょう。まずは少額で実際の取引を体験し、自信がついたら徐々に投資額を増やしていくのが、失敗しにくい賢明なアプローチです。

【2024年】仮想通貨おすすめアプリ12選

ここからは、前述の選び方のポイントを踏まえ、2024年時点でおすすめの仮想通貨アプリを12種類、厳選して紹介します。取引所アプリを中心に、ウォレット、ポートフォリオ管理、情報収集アプリまで、それぞれの特徴や強みを詳しく解説します。あなたの投資目的やスタイルに合ったアプリがきっと見つかるはずです。

① Coincheck(コインチェック)

Coincheckは、アプリのダウンロード数が国内No.1(※)を誇る、初心者人気が非常に高い取引所アプリです。 シンプルで直感的な操作性が特徴で、仮想通貨取引が初めての人でも迷うことなく売買を始められます。東証プライム上場企業であるマネックスグループ傘下という信頼性の高さも魅力の一つです。(※対象:国内の暗号資産取引アプリ、データ協力:AppTweak)

項目 詳細
アプリの種類 取引所アプリ
主な特徴 初心者向けの優れたUI/UX、豊富な取扱通貨、NFTマーケットプレイス
取扱通貨数 29種類(2024年5月時点)
最低取引額 販売所:500円相当額 / 取引所:0.005 BTC以上かつ500円相当額以上
手数料(取引所) Maker: 0.000%, Taker: 0.000%
こんな人におすすめ これから仮想通貨を始める初心者、様々なアルトコインに投資したい人

メリット

  • 圧倒的な使いやすさ: Coincheckの最大の強みは、誰にとっても分かりやすいアプリの画面デザインです。総資産額や各通貨の価格変動が一目で把握でき、購入・売却のプロセスも数タップで完了します。
  • 豊富な取扱通貨: ビットコインやイーサリアムはもちろん、人気のアルトコインや他の取引所では扱っていないような新規銘柄まで、幅広く取り揃えています。多様なポートフォリオを組みたいユーザーのニーズに応えます。
  • 「Coincheck NFT」の存在: アプリ内で直接NFT(非代替性トークン)を売買できるマーケットプレイスを運営しています。仮想通貨取引だけでなく、最新のNFTトレンドにも触れたい人にとって非常に便利です。
  • 各種サービスが充実: 一定期間、仮想通貨を貸し出して利用料を得る「貸暗号資産サービス」や、毎月一定額を自動で積み立てる「Coincheckつみたて」など、取引以外のサービスも充実しています。

注意点

  • 販売所のスプレッド: 初心者向けの「販売所」は操作が簡単ですが、売値と買値の差であるスプレッドが比較的広い傾向にあります。頻繁に売買を繰り返すと、このスプレッドが実質的なコストとして積み重なるため注意が必要です。コストを抑えたい場合は、ユーザー間で取引を行う「取引所」形式の利用が推奨されますが、アプリ版では取引所での売買に対応しておらず、ブラウザ版での操作が必要です。

(参照:Coincheck公式サイト)

② DMM Bitcoin

DMM Bitcoinは、DMM.comグループが運営する信頼性の高い取引所アプリです。 最大の特徴は、レバレッジ取引に対応しているアルトコインの種類が国内トップクラスであることです。現物取引だけでなく、より積極的なリターンを狙うトレーダーから高い支持を集めています。

項目 詳細
アプリの種類 取引所アプリ
主な特徴 豊富なレバレッジ取引対応銘柄、各種手数料が無料、使いやすい取引ツール
取扱通貨数 現物:38種類 / レバレッジ:34種類(2024年5月時点)
最低取引額 0.0001 BTC など(通貨により異なる)
手数料 取引手数料、入出金手数料、送金手数料などが無料(※BitMatch手数料除く)
こんな人におすすめ アルトコインでレバレッジ取引をしたい中〜上級者、手数料コストを抑えたい人

メリット

  • レバレッジ取引の強み: アルトコインを含む多数の銘柄でレバレッジ取引が可能です。少ない資金で大きなポジションを持つことができるため、効率的な資金運用を目指すトレーダーにとって魅力的な環境です。
  • 各種手数料が無料: 取引手数料だけでなく、日本円のクイック入金・出金手数料、仮想通貨の送金手数料まで無料なのは大きなメリットです。取引コストを最小限に抑えたいユーザーにとって非常に有利です。
  • 独自の「BitMatch注文」: DMM Bitcoinが提示するミッド(仲値)価格で取引が成立する注文方法です。スプレッドを気にすることなくタイトな価格で取引できる可能性があるため、取引コストの削減に繋がります。
  • 初心者にも配慮したモード切替: シンプルな操作性の「STモード」と、高機能チャートなどを備えた「EXモード」をアプリ内で簡単に切り替えられます。初心者はまずSTモードで慣れ、経験を積んだらEXモードに移行するといった使い方が可能です。

注意点

  • 現物取引は販売所形式のみ: DMM Bitcoinの現物取引は、ユーザーとDMM Bitcoinが相対で取引する「販売所」形式のみとなっています。そのため、スプレッドが実質的な取引コストとなります。ユーザー間で板取引を行う「取引所」形式には対応していません。
  • レバレッジ取引のリスク: レバレッジ取引は大きなリターンが期待できる反面、相場が予測と反対に動いた場合には、預けた証拠金以上の損失が発生するリスク(追証)があります。仕組みを十分に理解した上で、慎重に行う必要があります。

(参照:DMM Bitcoin公式サイト)

③ bitFlyer(ビットフライヤー)

bitFlyerは、国内最大級のビットコイン取引量を誇る、老舗の取引所アプリです。 2014年の設立以来、一度もハッキング被害に遭ったことがないという業界最高水準のセキュリティ体制を構築しており、安心して資産を預けられる点が大きな魅力です。

項目 詳細
アプリの種類 取引所アプリ
主な特徴 業界最高水準のセキュリティ、1円から取引可能、多様な関連サービス
取扱通貨数 22種類(2024年5月時点)
最低取引額 1円相当額
手数料(取引所) 約定数量 × 0.01 ~ 0.15%(BTC/JPY)
こんな人におすすめ セキュリティを最重視する人、少額から始めたい初心者、Tポイントを貯めている人

メリット

  • 鉄壁のセキュリティ: 7年以上ハッキングゼロという実績が、そのセキュリティレベルの高さを物語っています。コールドウォレットでの資産保管やマルチシグの導入など、考えられる対策を徹底しており、信頼性は抜群です。
  • 1円から始められる手軽さ: すべての取扱通貨が1円単位から売買できるため、仮想通貨が全く初めての人でも、お試し感覚で気軽にスタートできます。リスクを最小限に抑えながら、実際の取引を体験するのに最適です。
  • 高機能な取引ツール「bitFlyer Lightning」: PC版やアプリから利用できる「bitFlyer Lightning」では、高速な取引エンジンと多機能なチャート分析ツールが提供されており、プロのトレーダーも満足させる本格的な取引環境が整っています。
  • Tポイントとの連携: 貯まったTポイントをビットコインに交換できるユニークなサービスを提供しています。現金を使わずに仮想通貨投資を始めたい人にとって、面白い選択肢となります。

注意点

  • 一部アルトコインの取引形式: 一部のアルトコインは、ユーザー間で直接売買する「取引所」形式に対応しておらず、「販売所」での取引のみとなります。その場合、スプレッドがコストとして発生します。
  • 下限手数料: 取引所形式での取引手数料は、直近30日の取引量に応じて変動しますが、最低でも0.01%かかります。完全無料ではない点に留意が必要です。

(参照:bitFlyer公式サイト)

④ GMOコイン

GMOコインは、GMOインターネットグループ(東証プライム上場)が運営する取引所アプリです。 オリコン顧客満足度調査の「暗号資産取引所」において、4年連続で総合No.1(※)を獲得するなど、ユーザーからの評価が非常に高いのが特徴です。(※2021年〜2024年)

項目 詳細
アプリの種類 取引所アプリ
主な特徴 オリコン顧客満足度No.1、各種手数料が安い、豊富な取扱銘柄とサービス
取扱通貨数 26種類(2024年5月時点)
最低取引額 0.00001 BTC など(通貨により異なる)
手数料(取引所) Maker: -0.01%, Taker: 0.05% (BTC, ETHなど)
こんな人におすすめ コストを徹底的に抑えたい人、取引以外の運用(ステーキング等)もしたい人

メリット

  • 手数料の安さが際立つ: 日本円の即時入金・出金手数料が無料なだけでなく、仮想通貨の送金手数料も無料です。さらに、取引所形式では一部の通貨で「Maker手数料がマイナス(-0.01%)」となっており、取引をすると手数料が受け取れるという驚異的なメリットがあります。
  • 総合的なサービスの充実度: 現物・レバレッジ取引はもちろん、仮想通貨を保有しているだけで報酬が得られる「ステーキング」、自動で積立投資ができる「つみたて暗号資産」、仮想通貨を貸し出して利益を得る「貸暗号資産」など、取引以外の運用方法も豊富に揃っています。
  • GMOグループの信頼性: 金融サービスの運営ノウハウが豊富なGMOグループが運営しているという安心感は、他の新興取引所にはない大きな強みです。

注意点

  • アプリのモード切替: アプリには「ノーマルモード」と「トレーダーモード」があり、高機能な取引所形式やレバレッジ取引を利用するにはトレーダーモードへの切り替えが必要です。初心者は最初、このUIの違いに少し戸惑うかもしれません。
  • 最低送金額の設定: 仮想通貨の送金手数料は無料ですが、通貨ごとに出金(送金)できる最低数量が定められています。少額の資金を頻繁に外部ウォレットへ移動させたい場合には、この制限がネックになる可能性があります。

(参照:GMOコイン公式サイト)

⑤ bitbank(ビットバンク)

bitbankは、特にアルトコインの取引に強みを持つ、トレーダー向けの取引所アプリです。 第三者機関による調査で国内No.1の仮想通貨取引量を記録(※)するなど、流動性の高さが特徴。これにより、希望する価格で取引が成立しやすい環境が提供されています。(※2021年4月28日 CoinMarketCap調べ)

項目 詳細
アプリの種類 取引所アプリ
主な特徴 アルトコインの取引量が国内最大級、高機能なチャートツール、堅牢なセキュリティ
取扱通貨数 38種類(2024年5月時点)
最低取引額 0.0001 BTC など(通貨により異なる)
手数料(取引所) Maker: -0.02%, Taker: 0.12%
こんな人におすすめ アルトコインを取引所形式で売買したい中〜上級者、チャート分析を重視する人

メリット

  • アルトコインを「取引所」で売買可能: 多くの取引所ではアルトコインは販売所での扱いが多い中、bitbankでは取扱通貨のほとんどをユーザー間で直接売買する「取引所」形式で取引できます。 これにより、スプレッドを気にせず、コストを抑えたアルトコイン取引が可能です。
  • 高性能なトレーディングツール: 世界中のトレーダーに利用されている「TradingView」のチャートをアプリ内で利用できます。70種類以上のテクニカル指標を使って高度な相場分析が可能で、本格的なトレーダーの要求に応えます。
  • マイナス手数料の採用: GMOコイン同様、Maker手数料が-0.02%となっており、指値注文が約定すると手数料を受け取ることができます。流動性を提供するユーザーを優遇する仕組みです。
  • 強固なセキュリティ: 第三者機関からも高い評価を受ける堅牢なセキュリティ体制を敷いており、安心して利用できます。

注意点

  • 初心者にはやや専門的: 高機能であるがゆえに、アプリの画面は情報量が多く、仮想通貨取引が全く初めての初心者には少し複雑に感じられるかもしれません。
  • レバレッジ取引には非対応: bitbankは現物取引専門の取引所であり、レバレッジをかけた取引には対応していません。

(参照:bitbank公式サイト)

⑥ SBI VCトレード

SBI VCトレードは、SBIホールディングスという大手金融グループが運営する取引所アプリです。SBIグループが培ってきた金融ノウハウを活かした堅実な運営と、各種手数料の安さが魅力です。

項目 詳細
アプリの種類 取引所アプリ
主な特徴 SBIグループの信頼性、各種手数料が無料、充実したステーキングサービス
取扱通貨数 23種類(2024年5月時点)
最低取引額 0.000001 BTC など(通貨により異なる)
手数料 入出金、送金、取引手数料などが無料
こんな人におすすめ 運営会社の信頼性を最重視する人、ステーキングで着実に資産を増やしたい人

メリット

  • 抜群の信頼性: SBIという金融業界の巨人がバックにいるという安心感は絶大です。厳格なセキュリティとコンプライアンス体制の下で運営されています。
  • 手数料の安さ: 日本円の入出金や仮想通貨の入出庫(送金)にかかる手数料が無料です。取引コストを抑えたいユーザーにとって大きなメリットとなります。
  • 充実のステーキングサービス: 対象の仮想通貨を保有しているだけで、毎月自動的に報酬がもらえるステーキングサービスの対象銘柄が豊富です。特別な申し込みも不要で、ただ保有しているだけで良い手軽さが人気です。

注意点

  • アプリの機能性: 他の大手取引所アプリと比較すると、チャート機能などがややシンプルで、本格的なトレーダーには物足りなく感じられる可能性があります。
  • 取引所の流動性: 取引所形式の板は、他の大手取引所と比べてやや薄い(取引量が少ない)場合があります。そのため、大きな金額の注文を出す際には、希望価格での約定が難しい場面も考えられます。

(参照:SBI VCトレード公式サイト)

⑦ BITPOINT(ビットポイント)

BITPOINTは、ユニークな新規銘柄の取扱いに積極的なことで知られる取引所アプリです。他の国内取引所ではまだ扱っていないような、将来性の高いアルトコインをいち早く購入したいという投資家から注目されています。

項目 詳細
アプリの種類 取引所アプリ
主な特徴 新規銘柄への上場が早い、各種手数料が無料、ステーキングサービスあり
取扱通貨数 23種類(2024年5月時点)
最低取引額 500円未満から
手数料 取引手数料、入出金手数料、送金手数料などが無料
こんな人におすすめ 将来有望な草コイン・アルトコインに投資したい人、手数料を抑えたい人

メリット

  • 独創的な銘柄選定: ジャスミー(JASMY)やディープコイン(DEP)など、BITPOINTが国内で初めて取り扱いを開始した銘柄も多く、新しい投資機会を求めるユーザーにとって魅力的です。
  • 手数料の魅力: DMM BitcoinやSBI VCトレードと同様に、取引手数料や入出金・送金手数料が無料なのは大きな強みです。
  • 使いやすいアプリ: アプリはシンプルで分かりやすく、初心者でも直感的に操作できます。

注意点

  • 実質コストはスプレッド: 取引は販売所形式が中心となるため、スプレッドが実質的な手数料となります。取引手数料無料という言葉だけでなく、売買時の価格差にも注意が必要です。
  • マイナーコインのリスク: 新規銘柄やマイナーなアルトコインは、価格変動が非常に激しく、価値が大きく下落するリスクも高いことを理解しておく必要があります。

(参照:BITPOINT公式サイト)

⑧ LINE BITMAX

LINE BITMAXは、コミュニケーションアプリ「LINE」から直接アクセスできる手軽さが最大の魅力の取引所アプリです。普段使っているLINEアプリを通じて、口座開設から取引までシームレスに行えます。

項目 詳細
アプリの種類 取引所アプリ
主な特徴 LINEアプリから手軽に利用可能、1円から取引OK、初心者向け
取扱通貨数 7種類(2024年5月時点)
最低取引額 1円相当額
手数料 取引手数料は無料(スプレッドあり)、LINE Payからの入金も可能
こんな人におすすめ とにかく手軽に仮想通貨を始めたい超初心者、LINEを日常的に使う人

メリット

  • 圧倒的な手軽さ: 新たにアプリをダウンロードする必要がなく、LINEアプリ内のウォレットタブからすぐに始められます。LINE Payからの入金にも対応しており、非常にスムーズです。
  • 少額からの投資: bitFlyer同様、1円から仮想通貨を購入できるため、お試し感覚で投資を体験できます。
  • 独自通貨FINSCHIA(FNSA): LINEが開発した独自ブロックチェーンのネイティブトークンである「フィンシア(FINSCHIA)」を取り扱っているのは大きな特徴です。

注意点

  • 取扱通貨が少ない: 他の大手取引所と比較すると、取扱通貨の種類はまだ少ないです。多くのアルトコインに投資したい人には不向きです。
  • 販売所形式のみ: 取引はすべて販売所形式となるため、スプレッドがコストになります。本格的なトレードよりは、手軽な長期保有や積立に向いています。

(参照:LINE BITMAX公式サイト)

⑨ MetaMask(メタマスク)

ここからは取引所以外のアプリです。MetaMaskは、世界で最も広く利用されているウォレットアプリの一つです。イーサリアム系のトークン(ERC-20規格など)やNFTを保管し、様々なDApps(分散型アプリケーション)に接続するための「鍵」となる存在です。

項目 詳細
アプリの種類 ウォレットアプリ
主な特徴 DeFi・NFT利用の標準ツール、マルチチェーン対応、ブラウザ拡張機能と連携
対応ネットワーク Ethereum, Polygon, BNB Chain, Avalancheなど多数
手数料 送金時にネットワーク手数料(ガス代)が発生
こんな人におすすめ DeFiで資産運用したい人、NFTを売買・保管したい人、取引所以外で資産を自己管理したい人

メリット

  • DAppsエコシステムへの入り口: UniswapなどのDEX(分散型取引所)や、OpenSeaなどのNFTマーケットプレイスを利用する際には、ほぼ必須のウォレットです。
  • 自己管理による高いセキュリティ: 秘密鍵を自分で管理するため、取引所のハッキングリスクから資産を守ることができます。
  • マルチチェーン対応: イーサリアムだけでなく、PolygonやBNB Chainなど、様々なブロックチェーンネットワークを追加して利用できます。

注意点

  • 自己責任の原則: 秘密鍵とリカバリーフレーズの管理はすべて自己責任です。これらを紛失したり、フィッシング詐欺で盗まれたりすると、資産は二度と取り戻せません。オフラインでの厳重な保管が必須です。
  • ガス代(手数料): ブロックチェーン上で取引(トランザクション)を行う際には、ネットワーク手数料である「ガス代」がかかります。ネットワークの混雑状況によってガス代は変動します。

⑩ CoinMarketCap

CoinMarketCapは、世界最大級の仮想通貨情報サイトが提供する公式アプリです。世界中のほぼすべての仮想通貨の価格、時価総額、チャート、取引所ランキングなどのデータを網羅しており、情報収集には欠かせないツールです。

項目 詳細
アプリの種類 情報収集・ポートフォリオ管理アプリ
主な特徴 網羅的な仮想通貨データ、詳細なチャート、ポートフォリオ追跡機能
機能 価格追跡、アラート、ニュース、ポートフォリオ管理、学習コンテンツなど
手数料 無料
こんな人におすすめ 市場全体の動向を把握したいすべての投資家、複数の取引所の資産を一元管理したい人

メリット

  • 圧倒的な情報量: 時価総額ランキングはもちろん、各通貨の詳細なプロジェクト概要や関連ニュースまで、一つのアプリで深くリサーチできます。
  • 強力なポートフォリオ機能: 取引所のAPI連携には対応していませんが、手動で取引履歴を入力することで、保有資産の状況を追跡できます。
  • WatchlistとAlert機能: 気になる通貨をウォッチリストに登録したり、価格アラートを設定したりすることで、市場のチャンスを逃しません。

注意点

  • 情報の正確性: データは非常に網羅的ですが、ごくまれに表示の遅延や不正確な情報が含まれる可能性もゼロではありません。最終的な投資判断は、公式サイトなど一次情報も確認することが推奨されます。

⑪ Gtax(ジータックス)

Gtaxは、仮想通貨の複雑な損益計算を自動化し、確定申告をサポートしてくれる専門アプリです。国内外の多くの取引所やウォレットの取引履歴に対応しており、仮想通貨投資家の税金に関する悩みを解決します。

項目 詳細
アプリの種類 損益計算アプリ
主な特徴 仮想通貨の損益計算を自動化、多数の取引所に対応、確定申告用レポートの出力
対応取引所 国内外80以上の取引所、主要ウォレットに対応
料金 無料プランあり(取引件数に応じて有料プラン)
こんな人におすすめ 複数の取引所で取引している人、年間の取引回数が多い人、確定申告が必要な人

メリット

  • 計算の手間を大幅削減: 取引履歴ファイルをアップロードするか、API連携するだけで、移動平均法または総平均法に基づいた損益計算を自動で行います。手計算の煩わしさやミスから解放されます。
  • DeFiやNFTにも対応: ステーキング報酬やNFTの売買など、複雑な取引パターンの損益計算にも対応している点が強みです。
  • 税理士のサポート: 運営会社は税理士法人であるため、専門的な知見に基づいたサービスが提供されており、税理士紹介サービスなども利用できます。

注意点

  • 有料プランの必要性: 年間の取引件数が多くなると、無料プランでは対応できず、有料プランへの加入が必要になります。
  • 未対応の取引: 一部の非常に新しいDeFiプロトコルなど、すべての取引に完全対応しているわけではないため、未対応の取引は手動で入力する必要があります。

⑫ CoinPost

CoinPostは、国内最大級の仮想通貨・ブロックチェーン専門メディアが提供するニュースアプリです。国内外の最新ニュースをいち早く日本語でキャッチアップでき、市場の動向を左右する重要な情報を逃しません。

項目 詳細
アプリの種類 情報収集アプリ
主な特徴 仮想通貨関連ニュースの速報性、専門家による深い分析・解説記事
機能 最新ニュース、重要度別表示、価格チャート、プッシュ通知など
料金 無料
こんな人におすすめ 常に最新情報を追いたいトレーダー、ファンダメンタルズ分析を重視する投資家

メリット

  • 情報の速さと質: 海外の一次情報などを基にした速報記事が充実しており、市場のセンチメントを素早く把握できます。また、初心者向けの解説記事から、専門家による深い考察コラムまで、幅広いコンテンツが揃っています。
  • プッシュ通知機能: 「重要ニュース」や「相場に影響がありそうなニュース」をプッシュ通知で受け取れるため、アプリを開いていなくても重要な動きを見逃しません。

注意点

  • 情報の取捨選択が必要: 非常に多くの情報が配信されるため、すべてを追いかけると情報過多になりがちです。自分にとって重要なニュースカテゴリやキーワードを意識して、情報を取捨選択するスキルが求められます。

仮想通貨アプリの始め方3ステップ

アプリをダウンロードして口座を開設する、日本円を入金する、仮想通貨を購入する

仮想通貨アプリを使って取引を始めるまでの手順は、非常にシンプルです。ここでは、最も一般的な「取引所アプリ」を利用する場合を例に、口座開設から仮想通貨の購入までを3つのステップに分けて分かりやすく解説します。ほとんどのプロセスはスマートフォンだけで完結します。

① アプリをダウンロードして口座を開設する

最初のステップは、利用したい取引所のアプリをスマートフォンにインストールし、自分のアカウントを作成(口座開設)することです。

1. アプリのダウンロード
お使いのスマートフォンのOSに合わせて、App Store(iPhoneの場合)またはGoogle Play(Androidの場合)から、目的の取引所アプリ(例:Coincheck, bitFlyerなど)を検索してダウンロードします。偽アプリに注意し、必ず公式サイトへのリンクなどから正規のアプリをインストールしてください。

2. アカウント登録
アプリを起動し、「新規登録」や「口座開設」といったボタンをタップします。まずは、メールアドレスとパスワードを設定するのが一般的です。登録したメールアドレスに確認メールが届くので、メール内のリンクをクリックして認証を完了させます。

3. 基本情報の入力
次に、氏名、住所、生年月日、電話番号、職業、年収、投資経験といった基本情報を入力します。これらは法律(犯罪収益移転防止法)に基づいて求められる情報であり、正確に入力する必要があります。

4. 本人確認(eKYC)
口座開設の最終段階として、本人確認が行われます。現在、主流となっているのが「eKYC(electronic Know Your Customer)」という、スマートフォンを使ったオンラインでの本人確認方法です。これにより、郵送物のやり取りなしで、最短即日で取引を開始できます。

eKYCの一般的な流れは以下の通りです。

  • 本人確認書類の撮影: アプリの指示に従い、運転免許証、マイナンバーカード、在留カードなどの顔写真付き本人確認書類を、スマートフォンのカメラで撮影します(表面、裏面、厚みなど)。
  • 顔写真の撮影: 次に、自分の顔をインカメラで撮影します。多くの場合、首を振る、まばたきをするといった指示があり、実在の人物であることをAIが判定します。

これらの手続きが完了し、取引所側の審査に通れば、口座開設は完了です。審査完了の通知はメールなどで届きます。この手軽さとスピード感が、スマホアプリで口座開設する大きなメリットです。

② 日本円を入金する

口座が開設できたら、次に仮想通貨を購入するための資金(日本円)を、その口座に入金します。アプリ内の「入金」や「ウォレット」といったメニューから手続きを進めます。主な入金方法は以下の3つです。

1. 銀行振込
アプリ内に表示される、取引所指定の銀行口座(自分専用の振込先口座)に対して、自分の銀行口座から振込を行う方法です。ATMやインターネットバンキングから手続きできます。

  • メリット: 多くの銀行から入金可能。
  • デメリット: 銀行の営業時間外に振り込んだ場合、口座への反映が翌営業日になることがある。また、利用する銀行によっては振込手数料が自己負担となります。

2. クイック入金(インターネットバンキング入金)
提携している金融機関のインターネットバンキングを利用して、24時間365日、ほぼリアルタイムで入金できる方法です。

  • メリット: 即時反映されるため、すぐに取引を始めたい場合に非常に便利。 また、多くの取引所でクイック入金の手数料は無料となっています。
  • デメリット: 利用できる金融機関が限られている場合がある。また、入金後、一定期間(例:7日間)、資産の移動(出金や送金)が制限されるルールを設けている取引所が多い点に注意が必要です。

3. コンビニ入金
アプリで発行される番号を使い、コンビニエンスストアのレジで現金で支払い、入金する方法です。

  • メリット: 銀行口座を持っていない、あるいは深夜でも現金で入金したい場合に便利。
  • デメリット: 入金手数料が別途かかる場合が多い。

自分のライフスタイルや手数料、反映スピードを考慮して、最適な入金方法を選びましょう。入金が完了すると、アプリ内の総資産や日本円残高に金額が反映されます。

③ 仮想通貨を購入する

日本円の入金が完了すれば、いよいよ仮想通貨を購入できます。購入方法には主に「販売所」と「取引所」の2種類があり、アプリによってどちらか一方、あるいは両方の機能が提供されています。

1. 「販売所」での購入

  • 仕組み: ユーザーが仮想通貨取引所を相手に仮想通貨を売買する方法です。取引所が提示する価格で、欲しい量を指定するだけなので非常にシンプルです。
  • 操作: アプリの「販売所」タブを選び、購入したい通貨(例:ビットコイン)をタップ。購入したい金額(例:「10,000円分」)または数量(例:「0.001 BTC」)を入力し、「購入」ボタンを押せば取引は完了です。
  • 特徴: 操作が簡単で分かりやすいため、初心者に最適です。 一方で、売値と買値の差である「スプレッド」が実質的な手数料として含まれており、取引所形式に比べてコストは割高になる傾向があります。

2. 「取引所」での購入

  • 仕組み: ユーザー同士が直接、仮想通貨を売買する場所です。「板(いた)」と呼ばれる売買注文の一覧を見ながら、自分で価格を指定して注文を出します。
  • 操作: アプリの「取引所」タブを選び、取引したい通貨ペア(例:BTC/JPY)を選択。「板」情報を参考に、買いたい価格(レート)と数量を入力して注文を出します。自分の注文価格と、売りたい人の注文価格が一致(マッチング)すると、取引が成立(約定)します。
  • 特徴: 販売所のスプレッドよりも手数料が安く、コストを抑えた取引が可能です。一方で、「この値段で買いたい」という注文(指値注文)を出しても、その価格で売りたい人が現れなければ取引は成立しません。操作がやや複雑なため、ある程度取引に慣れた中級者以上におすすめです。

初心者のうちは、まず販売所で少額のビットコインなどを購入し、取引の流れを掴むのが良いでしょう。慣れてきたら、コストメリットの大きい取引所形式での売買に挑戦してみるのが賢明なステップアップです。

仮想通貨アプリを利用する際の3つの注意点

価格変動のリスクを理解する、ハッキングや詐欺に備えてセキュリティ対策を徹底する、必ず余剰資金で投資する

仮想通貨アプリは手軽で便利なツールですが、その裏には無視できないリスクも存在します。大切な資産を守り、後悔のない投資を行うために、アプリを利用する上で必ず心に留めておくべき3つの重要な注意点を解説します。これらのリスクを正しく理解し、適切な対策を講じることが、安全な仮想通貨投資の第一歩となります。

価格変動のリスクを理解する

仮想通貨は、株式や債券といった伝統的な金融資産と比較して、価格変動の幅(ボラティリティ)が非常に大きいという特徴があります。1日で価格が10%以上、時には数十%も上下することも珍しくありません。この大きなボラティリティは、短期間で高いリターンを得られる可能性がある一方で、投資した資金が短期間で半分以下になる、あるいは価値がほとんどなくなってしまうといった大きな損失を被るリスクも常に内包しています。

なぜ価格変動が大きいのか?

  • 市場規模: 株式市場などに比べて、仮想通貨市場全体の規模はまだ小さく、比較的少額の資金の流入・流出でも価格が大きく動きやすい。
  • 24時間365日の取引: 仮想通貨市場には取引所の閉まる時間がなく、24時間常に価格が変動し続けている。
  • 規制やニュースの影響: 各国の法規制の動向、著名人の発言、技術的なアップデートやセキュリティインシデントといったニュース一つで、価格が大きく乱高下することがあります。

この価格変動リスクを完全に避けることはできませんが、リスクを管理し、影響を和らげるための対策は可能です。

  • 分散投資: 一つの仮想通貨に全資金を集中させるのではなく、ビットコインやイーサリアムといった比較的安定した通貨と、他のアルトコインなど、複数の銘柄に資金を分けて投資することで、一つの通貨が暴落した際の影響を抑えます。
  • 時間分散(ドルコスト平均法): 一度にまとまった資金を投じるのではなく、「毎月1万円ずつ」のように、定期的に一定額を買い続ける方法です。これにより、価格が高い時には少なく、安い時には多く買うことになり、平均購入単価を平準化させる効果が期待できます。
  • 損切りルールの設定: 「購入価格から〇%下がったら売却する」といった、自分なりの損切りルールをあらかじめ決めておくことも重要です。感情的な判断で損失が拡大するのを防ぎます。

「価格は常に大きく変動するもの」という前提を理解し、冷静に市場と向き合う姿勢が何よりも大切です。

ハッキングや詐欺に備えてセキュリティ対策を徹底する

仮想通貨はデジタル資産であるため、サイバー攻撃による盗難リスクが常に伴います。信頼できる取引所アプリを選ぶことは大前提ですが、それだけで安心はできません。最終的に自分の資産を守るのは、ユーザー自身のセキュリティ意識と対策です。 取引所の堅牢なセキュリティも、個人のアカウント情報が漏洩してしまえば意味がなくなってしまいます。

以下の対策は、仮想通貨アプリを利用する上で必ず実践してください。

  • 二段階認証(2FA)の設定は必須: ログイン時や出金・送金時に、パスワードに加えてスマートフォンアプリ(Google AuthenticatorやAuthyなど)で生成されるワンタイムパスワードの入力を必須にする設定です。これは最も基本的かつ効果的な不正アクセス対策であり、口座を開設したら真っ先に設定しましょう。SMS認証よりも、専用の認証アプリを利用する方が安全性が高いとされています。
  • パスワードの厳重な管理:
    • 推測されにくい複雑なパスワード(英大文字・小文字・数字・記号を組み合わせた12文字以上など)を使用する。
    • 他のサービスで使っているパスワードの使い回しは絶対にしない。
    • パスワード管理ツールなどを利用して、安全に保管する。
  • フィッシング詐欺への警戒:
    • 取引所を装った偽のメールやSMSに記載されたリンクは絶対にクリックしない。URLが公式サイトのものと完全に一致するかを常に確認する癖をつけましょう。
    • 「緊急のセキュリティ警告」「アカウントがロックされました」といった文言で不安を煽り、偽サイトに誘導してパスワードや個人情報を盗み出すのが典型的な手口です。
  • 公共Wi-Fiの利用を避ける: カフェや空港などの無料Wi-Fiは、通信が暗号化されていない場合があり、通信内容を盗み見される(盗聴される)リスクがあります。仮想通貨アプリの操作、特にログインや送金といった重要な操作は、安全な自宅のWi-Fiやスマートフォンのモバイルデータ通信(4G/5G)を利用して行いましょう。
  • ウォレットの秘密鍵・リカバリーフレーズの厳重保管: MetaMaskなどのウォレットアプリを利用する場合、そのリカバリーフレーズ(シードフレーズ)はあなたの資産そのものです。絶対にデジタルデータ(スクリーンショット、メモ帳アプリ、クラウドストレージなど)で保管せず、紙に書き写して、誰にも見られない安全な場所(金庫など)に複数箇所に分けて保管してください。

これらの地道な対策を徹底することが、ハッカーや詐欺師から自分の大切な資産を守るための防波堤となります。

必ず余剰資金で投資する

これは仮想通貨投資に限らず、すべての投資における鉄則ですが、特に価格変動の激しい仮想通貨においては、より一層強く意識すべき点です。

「余剰資金」とは、日々の生活費や近い将来に使う予定のあるお金(学費、住宅購入の頭金、車のローンなど)を除いた上で、当面使うあてのないお金のことを指します。「最悪の場合、その全額を失っても、自分の生活や将来設計に大きな影響が出ない範囲の資金」と定義できます。

なぜ余剰資金での投資が重要なのか。

  • 冷静な投資判断のため: 生活費を投じてしまうと、「損をしたくない」「早く取り返さなければ」という焦りから、価格が少し下がっただけで狼狽売りしてしまったり、逆に高値で飛びついてしまったりと、冷静で合理的な判断ができなくなります。これが大きな損失を招く最大の原因です。
  • 長期的な視点を保つため: 仮想通貨市場は短期的に大きく下落することがあっても、長期的には成長してきた歴史があります。余剰資金で投資していれば、短期的な下落局面でも慌てて売却する必要がなく、「価格が回復するまで待つ」「むしろ安くなったところで買い増す」といった、長期的な視点に立った戦略を取ることができます。
  • 精神的な安定のため: 投資したお金のことで四六時中悩み、仕事や私生活に支障をきたすようでは本末転倒です。余剰資金の範囲内であれば、精神的な余裕を持って投資と向き合うことができます。

言うまでもなく、借金をして仮想通貨に投資することは絶対に避けるべきです。 レバレッジ取引も、借金と同じように手元の資金以上の取引を可能にしますが、そのリスクを十分に理解できないうちは手を出すべきではありません。

仮想通貨投資は、一攫千金を狙うギャンブルではなく、将来のための資産形成の一つの手段として捉えるべきです。まずは失っても良いと思える少額の余剰資金から始め、冷静な判断ができる範囲で、少しずつ経験を積んでいくことを強く推奨します。

仮想通貨アプリに関するよくある質問

仮想通貨アプリは無料で使えますか?、スマートフォンだけで取引は完結しますか?、仮想通貨はいくらから購入できますか?、仮想通貨の利益にかかる税金はどうなりますか?

これから仮想通貨アプリを使い始めるにあたり、多くの人が抱くであろう疑問点をまとめました。基本的なことから税金に関することまで、よくある質問とその回答を紹介します。

仮想通貨アプリは無料で使えますか?

はい、ほとんどの仮想通貨アプリは、ダウンロードやインストール自体は無料です。 また、取引所の口座開設や、その口座を維持するための費用(口座維持手数料)も、多くの場合は無料となっています。

ただし、実際に仮想通貨取引を行ったり、資金を動かしたりする際には、以下のような形で費用(手数料)が発生します。

  • 取引手数料: 「取引所」形式でユーザー同士が売買する際に発生する手数料です。無料のところもあれば、取引金額の数%がかかるところもあります。
  • スプレッド: 「販売所」形式で取引所を相手に売買する際に発生する、売値と買値の差額です。これは目に見えないコストであり、実質的な手数料として機能します。
  • 入出金手数料: 日本円を取引所に入金したり、自分の銀行口座に出金したりする際に発生する手数料です。クイック入金は無料でも、銀行振込や出金には手数料がかかる場合があります。
  • 送金手数料(ネットワーク手数料): 仮想通貨を他の取引所や個人のウォレットに送る際に発生する手数料です。

結論として、アプリを使うだけなら無料ですが、仮想通貨投資という活動を行う上では、様々な形でコストが発生すると理解しておくのが正確です。手数料は利益に直結する重要な要素なので、アプリを選ぶ際には、どの手数料がいくらかかるのかを公式サイトなどでしっかりと確認することが大切です。

スマートフォンだけで取引は完結しますか?

はい、結論から言うと、スマートフォンだけで仮想通貨取引のほぼすべてを完結させることが可能です。

現代の仮想通貨アプリは非常に高機能であり、以下のプロセスをすべてスマートフォン一台で実行できます。

  • アプリのダウンロードと口座開設(eKYCによる本人確認を含む)
  • 日本円の入金(クイック入金など)
  • 仮想通貨の売買(販売所・取引所)
  • 保有資産の管理と価格チャートの確認
  • 仮想通貨の送金・受取
  • 日本円の出金

このように、日常生活の中で思い立った時にすぐに取引できる手軽さが、スマホアプリの最大のメリットです。

ただし、一部の高度な機能については、PC(ブラウザ版)の方が優れている場合があります。

  • 高度なチャート分析: PC版では、より大きな画面で複数のテクニカル指標を同時に表示したり、描画ツールを使って詳細なラインを引いたりと、より専門的な分析がしやすくなっています。本格的なデイトレードなどを行うトレーダーは、PCでの分析を主軸にしていることが多いです。
  • APIの設定など: APIキーの発行や管理など、一部の高度な設定はPC版でしか行えない場合があります。
  • 取引履歴のダウンロード: 確定申告などで年間の取引履歴をダウンロードする際、PC版の方が操作しやすいことがあります。

一般的な投資家であれば、スマートフォンアプリだけで全く問題ありません。 より本格的な分析やトレードを行いたくなったタイミングで、PC版との併用を検討するのが良いでしょう。

仮想通貨はいくらから購入できますか?

「仮想通貨は価格が高いから、まとまったお金がないと買えない」というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、それは誤解です。多くの取引所アプリでは、非常に少額から仮想通貨を購入することができます。

最低取引額は取引所によって異なりますが、以下のような設定が一般的です。

  • 500円から: Coincheckなど、多くの取引所が「ワンコイン」程度の金額から購入できる設定にしています。
  • 1円から: bitFlyerやLINE BITMAXなどでは、なんと1円単位での購入が可能です。ジュース1本分のお金にも満たない金額から、ビットコインのオーナーになることができます。

ビットコインは1BTCあたり数百万円といった価格で取引されていますが、必ずしも1BTC単位で購入する必要はなく、「0.0001BTC」のように小数点以下の単位で売買できます。そのため、日本円にして数百円という少額からでも取引が可能なのです。

この少額から始められるという点は、仮想通貨投資の大きなメリットです。いきなり大金を投じるのではなく、まずは無理のない範囲の少額で実際に購入し、価格が変動する感覚やアプリの操作方法に慣れることができます。リスクを最小限に抑えながら投資経験を積むことができるため、初心者の方でも安心してスタートできる環境が整っています。

仮想通貨の利益にかかる税金はどうなりますか?

仮想通貨の取引で得た利益は、原則として「雑所得」として扱われ、所得税の課税対象となります。 これは非常に重要なポイントであり、正しく理解しておかないと、後で追徴課税などのペナルティを受ける可能性があるので注意が必要です。

  • 課税対象となるタイミング:
    • 仮想通貨を売却して日本円に換金した時
    • 保有している仮想通貨で、別の仮想通貨を購入した時
    • 仮想通貨で商品やサービスを購入(決済)した時
  • 所得の分類と税率:
    • 仮想通貨の利益は、給与所得など他の所得と合算した上で税額が計算される「総合課税」の対象です。
    • 税率は、所得金額に応じて税率が高くなる「累進課税」が適用され、住民税(約10%)と合わせると、最大で約55%の税率がかかります。
  • 確定申告の必要性:
    • 会社員などの給与所得者の場合、給与以外の所得(仮想通貨の利益を含む)が年間で20万円を超えた場合に、原則として確定申告が必要です。
    • 専業主婦や学生など、扶養に入っている方の場合は、年間の合計所得金額が48万円を超えると確定申告が必要になる場合があります。

仮想通貨の税金計算は、取引のたびに取得原価を算出しなければならず、非常に複雑です。特に、複数の取引所を利用していたり、DeFiやNFTの取引があったりすると、手計算はほぼ不可能になります。

そのため、Gtax(ジータックス)のような損益計算ツールを利用したり、仮想通貨に詳しい税理士に相談したりすることを強く推奨します。利益が出た場合はもちろん、損失が出た場合でも、将来の利益と相殺(損益通算)するために、取引履歴は正確に記録・保管しておくことが重要です。(参照:国税庁 暗号資産に関する税務上の取扱いについて)