近年、Web3やブロックチェーン技術の進化とともに、「GameFi」と呼ばれる新しいゲームの形が注目を集めています。その中でも、私たちの日常生活に根ざした「歩く」「走る」といった運動を通じて収益を得られる「Move to Earn(M2E)」というジャンルは、多くの人々の関心を引きつけました。この記事では、M2Eブームの火付け役となり、今なお根強い人気を誇るプロジェクト「STEPN(ステップン)」について、その基本的な仕組みから具体的な始め方、さらには効率的な稼ぎ方や将来性に至るまで、網羅的に解説していきます。
これからSTEPNを始めたいと考えている方はもちろん、すでにプレイしているけれど、より深く理解して効率的に活用したいという方にとっても、有益な情報を提供することを目指します。専門的な用語も登場しますが、一つひとつ丁寧に解説していくので、Web3や仮想通貨に初めて触れる方でも安心して読み進めてください。
目次
STEPN(ステップン)とは
まずはじめに、STEPNがどのようなプロジェクトであり、なぜこれほどまでに多くの注目を集めるに至ったのか、その概要と背景を掘り下げていきましょう。STEPNの本質を理解することは、今後のゲームプレイや投資判断において非常に重要な基盤となります。
歩いて稼げる「Move to Earn」の代表的アプリ
STEPNの最も大きな特徴は、「Move to Earn(ムーブ・トゥ・アーン、M2E)」というコンセプトを世界的に広めた代表的なアプリケーションである点です。Move to Earnとは、その名の通り「動いて稼ぐ」ことを意味し、スマートフォンのGPS機能と連携してユーザーの移動(ウォーキングやランニング)を記録し、その対価として仮想通貨を付与する仕組みを指します。
これまでにも、歩数に応じてポイントが貯まるヘルスケアアプリは存在しましたが、STEPNが画期的だったのは、ブロックチェーン技術とNFT(非代替性トークン)を組み合わせた点にあります。ユーザーは、まずNFTとして発行された「デジタルスニーカー(NFTスニーカー)」を仮想通貨で購入します。そして、そのNFTスニーカーを装備して実際に屋外を歩いたり走ったりすることで、ゲーム内トークンである「GST(Green Satoshi Token)」を獲得できます。獲得したGSTは、スニーカーの修理やレベルアップに使用できるほか、仮想通貨取引所を通じて日本円などの法定通貨に換金することも可能です。
この「健康増進」と「経済的インセンティブ」の融合は、多くの人々にとって強力な動機付けとなりました。単にゲームをプレイするだけでなく、日々の運動が直接的な収益に繋がるという新しい体験は、運動習慣がなかった人々を屋外へと誘い、Web3の世界への入り口を大きく広げる役割を果たしました。この点で、ゲームをプレイして稼ぐ「Play to Earn(P2E)」から一歩進んで、より現実世界の活動と密接に結びついたモデルであると言えます。
STEPNは、複雑なブロックチェーンの知識がなくても、直感的なインターフェースで始められるように設計されています。これにより、仮想通貨に馴染みの薄い層にも受け入れられ、爆発的なユーザー数の増加を実現しました。まさに、M2Eというジャンルを確立し、その象徴となったプロジェクトがSTEPNなのです。
大手企業や著名人からも注目されている
STEPNの成功は、単にユーザー数の多さだけに留まりません。その革新的なビジネスモデルと将来性は、暗号資産業界の著名な投資家や大手ベンチャーキャピタルから高い評価を受けています。例えば、Sequoia Capital(セコイア・キャピタル)やAlameda Research(アラメダ・リサーチ)、Binance Labs(バイナンス・ラボ)といった世界トップクラスの投資機関が初期段階から出資を行っており、プロジェクトの信頼性とポテンシャルの高さを裏付けています。
また、Web3領域以外からの注目度も非常に高いのが特徴です。STEPNは、世界的に有名なスポーツウェアブランドや、スペインを拠点とする強豪プロサッカークラブなど、グローバルで影響力を持つブランドとの提携を次々と実現しています。こうした提携は、STEPNのブランド価値を高めるだけでなく、既存のブランドが持つ広範な顧客層に対してWeb3やNFTを身近に感じさせる絶好の機会となります。
企業側にとって、STEPNとのコラボレーションは、新しい顧客エンゲージメントの手法であり、デジタル時代における最先端のマーケティング戦略の一環と見なされています。ユーザーは、限定デザインのNFTスニーカーを手に入れることで、好きなブランドを応援しながらM2Eを楽しむことができ、企業と顧客の間に新たな関係性を構築します。
このように、STEPNは暗号資産業界の枠を超え、フィットネス、ファッション、スポーツといった多様な業界を巻き込みながら、そのエコシステムを拡大しています。大手企業や著名人が関心を寄せる事実は、STEPNが単なる一過性のブームではなく、持続可能なプラットフォームとして成長していく可能性を示唆していると言えるでしょう。
運営・開発は「Find Satoshi Lab」
STEPNの成功の裏には、その運営・開発を手がける「Find Satoshi Lab」というチームの存在があります。Find Satoshi Labは、オーストラリアに拠点を置くフィンテックスタジオであり、Jerry Huang氏とYawn Rong氏という2人の共同創業者によって設立されました。彼らは、ゲーム開発や暗号資産業界での豊富な経験を活かし、STEPNを世界的なプロジェクトへと成長させました。
Find Satoshi Labが掲げるミッションは、「より多くの人々をWeb3の世界に導き、健康的なライフスタイルを促進することで、気候変動問題にも貢献する」という壮大なものです。このビジョンは、STEPNの設計思想の随所に反映されています。例えば、獲得したトークンの一部を炭素除去クレジットの購入に充てるなど、環境への配慮も組み込まれています。
運営チームは、プロジェクトの透明性を重視しており、公式ウェブサイトでは詳細な「Whitepaper(ホワイトペーパー)」を公開しています。ホワイトペーパーには、ゲームの仕組み、トークン経済(トケノミクス)、将来のロードマップなどが詳細に記されており、誰でもプロジェクトの全容を確認できます。また、DiscordやX(旧Twitter)といったソーシャルメディアを通じて、コミュニティとの対話を活発に行い、ユーザーからのフィードバックを積極的に開発に取り入れています。
このような堅実でビジョンを持った運営体制は、プロジェクトの長期的な信頼性を担保する上で極めて重要です。市場の変動が激しいWeb3の世界において、ユーザーが安心して参加できる環境を提供し続けている点が、STEPNが今なお多くの支持を集める理由の一つと言えるでしょう。
STEPNの基本的な仕組み
STEPNの魅力や背景を理解したところで、次はその心臓部である「基本的な仕組み」について詳しく見ていきましょう。NFTスニーカー、2種類の仮想通貨、エネルギー、そしてゲームモード。これらの要素がどのように絡み合って「Move to Earn」を実現しているのかを理解することが、効率的に稼ぐための第一歩となります。
NFTスニーカーについて
STEPNのプレイに不可欠なのが、デジタル資産である「NFTスニーカー」です。これは単なるゲーム内アイテムではなく、ブロックチェーン上に記録された唯一無二の所有権を持つトークンです。このスニーカーには、タイプ、レアリティ、パラメーターといった複数の要素があり、これらの組み合わせが収益効率を大きく左右します。
4種類のスニーカータイプ
NFTスニーカーには、それぞれ想定される移動速度が異なる4つのタイプが存在します。自分のライフスタイルや運動習慣に合ったタイプを選ぶことが、ストレスなく継続し、効率的に稼ぐための鍵となります。
スニーカータイプ | 適正速度 (km/h) | GST獲得効率の目安 | 特徴 |
---|---|---|---|
Walker | 1〜6 km/h | 低 | 普段の散歩やウォーキングに適している。最も始めやすいタイプ。 |
Jogger | 4〜10 km/h | 中 | 早歩きや軽いジョギングに適している。運動習慣のある人向け。 |
Runner | 8〜20 km/h | 高 | 本格的なランニングが必要。体力に自信のある人向け。最も稼ぎやすい。 |
Trainer | 1〜20 km/h | 変動 | 全ての速度域に対応できる万能タイプ。GST獲得効率は速度に応じて変動する。 |
最も重要なのは、設定された「適正速度」を維持することです。この速度から外れてしまうと、GSTの獲得量が大幅に減少してしまいます。例えば、Runnerスニーカーでゆっくり歩いても、期待した収益は得られません。そのため、高価で稼ぎやすいからといってRunnerを選んでも、継続できなければ意味がありません。自分のペースで続けられるタイプを選ぶことが賢明です。Trainerは価格が高い傾向にありますが、その日の気分や体調に合わせて速度を変えられるため、非常に柔軟な使い方ができます。
5段階のレアリティ(品質)
スニーカーには、性能の高さを示す「レアリティ(品質)」が5段階設定されています。レアリティが高いほど、初期のパラメーターが高く、レベルアップ時に付与されるボーナスポイントも多くなります。
- Common(コモン)
- Uncommon(アンコモン)
- Rare(レア)
- Epic(エピック)
- Legendary(レジェンダリー)
レアリティが高いスニーカーは、当然ながらマーケットプレイスでの価格も高くなります。しかし、高い初期投資に見合うだけの性能を持っているため、本格的にSTEPNに取り組みたいユーザーにとっては魅力的な選択肢です。例えば、Uncommonのスニーカーを1足持っているだけで、エネルギーの最大値にボーナスが加算されるなど、レアリティは収益性に直結する重要な要素です。初心者はまずCommonから始め、ゲームに慣れてきたらUncommon以上を検討するのが一般的です。
4つのパラメーター(属性)
全てのスニーカーには、性能を決定づける4つのパラメーター(属性)があります。レベルアップ時にもらえるポイントを、これらのパラメーターに振り分けることで、スニーカーを自分好みにカスタマイズしていきます。
パラメーター | 影響する要素 | 詳細 |
---|---|---|
Efficiency (効率性) | GST獲得量 | この数値が高いほど、同じエネルギーを消費して歩いた際に、より多くのGSTを獲得できます。最も基本的な収益性に直結する最重要パラメーターです。 |
Luck (幸運) | ミステリーボックスのドロップ率と質 | この数値が高いほど、歩いた後に「ミステリーボックス(MB)」がドロップしやすくなります。MBからはGSTや後述する「ジェム」などが入手できます。 |
Comfort (快適性) | GMT獲得量(レベル30以上) | スニーカーがレベル30に達すると、GSTの代わりにGMTを獲得するモードが選択可能になります。この数値が高いほど、GMTの獲得量が増加します。 |
Resilience (耐久性) | 修理費の抑制 | 歩くとスニーカーの耐久度が減少し、修理にはGSTが必要です。この数値が高いほど、耐久度の減少が緩やかになり、結果的に修理費用を安く抑えることができます。 |
どのパラメーターを重視するかは、プレイヤーの戦略次第です。単純にGSTを多く稼ぎたいならEfficiencyに集中投資するのが良いでしょう。一方で、ジェムの売却益やGMT獲得を狙うなら、LuckやComfortへの投資も重要になります。Resilienceもある程度の数値を確保しておかないと、修理費がかさんで収益を圧迫するため、バランスの取れた育成が求められます。
スニーカーの合成(エンハンス)
STEPNには、より高いレアリティのスニーカーを手に入れるための「エンハンス」という機能があります。これは、同じレアリティのスニーカーを5足消費(バーン)することで、1段階上のレアリティのスニーカーを1足入手するというものです。
例えば、Commonのスニーカー5足をエンハンスにかけると、Uncommonのスニーカーが1足手に入ります。この機能は、マーケットに流通するスニーカーの総量を減らし、スニーカーの価値を維持する役割も担っています。ただし、エンハンスには成功確率が設定されており、必ずしも成功するわけではありません(※仕様変更により現在は100%成功するようになっていますが、将来的に変更される可能性はあります)。エンハンスは、大量のスニーカーとGST/GMTを必要とするため、上級者向けの機能と言えるでしょう。
ゲームで使われる2種類の仮想通貨
STEPNのエコシステムは、役割の異なる2種類のトークンによって支えられています。それぞれの特徴と用途を理解することが、ゲーム内での資産管理において非常に重要です。
GST(Green Satoshi Token)
GSTは、STEPNにおける主要なユーティリティトークンです。ユーザーが歩いたり走ったりすることで、日々獲得するのがこのGSTです。
- 主な用途:
- スニーカーの修理
- スニーカーのレベルアップ(特定のレベルを除く)
- 新しいスニーカーを生成する「ミント」
- ジェムのアップグレード
- ソケットのアンロック
GSTは、ゲームをプレイするための基本的な活動にほぼ必須のトークンです。その最大の特徴は、理論上の発行上限がないという点です。ユーザーが運動する限り新規に発行され続けるため、インフレ(価値の希薄化)が起こりやすい構造になっています。運営は、上記のような多様な消費先(バーンメカニズム)を設けることで、GSTの需給バランスを調整し、価格の安定化を図っています。
GMT(Green Metaverse Token)
GMTは、STEPNのガバナンストークンであり、より希少価値の高いトークンとして位置づけられています。
- 主な用途:
- 特定のレベル(5, 10, 20, 29, 30)へのスニーカーレベルアップ
- レベル30に到達したスニーカーでのMove to Earn報酬
- スニーカーのミント(レアリティによる)
- エンハンス機能の利用
- 将来的なガバナンス投票(プロジェクトの運営方針決定への参加)
GMTの最大の特徴は、発行上限が60億枚と定められている点です。これにより、GSTに比べて希少性が担保されており、長期的な価値の向上が期待されています。レベル30のスニーカーでなければ稼ぐことができないため、GMT獲得はSTEPNにおける一つの目標となります。
プレイに必要なエネルギー
STEPNでトークンを獲得するためには、「エネルギー」を消費する必要があります。エネルギーは、NFTスニーカーを保有している数と、そのレアリティに応じて上限が決定されます。
エネルギーは1エネルギーあたり5分間の運動(Move to Earnが有効な状態)に相当します。例えば、2エネルギーを保有している場合、合計で10分間、歩いて稼ぐことができます。このエネルギーは、日本時間の午前4時、午前10時、午後4時、午後10時の4回に分けて、6時間ごとに最大値の25%ずつ回復します。
保有スニーカー数 | エネルギー上限 |
---|---|
1足 | 2 |
3足 | 4 |
9足 | 9 |
15足 | 12 |
30足 | 20 |
さらに、Uncommon以上のレアリティのスニーカーを保有していると、エネルギー上限にボーナスが加算されます(例:Uncommonは+1、Rareは+2)。より多くのエネルギーを確保することが、1日の収益を最大化するための基本戦略となります。そのため、多くのユーザーはメインで使う高性能なスニーカー1足に加え、エネルギー上限を増やすためだけに安価なスニーカー(通称「エナジープラント」)を複数保有することがあります。
3つのゲームモード
STEPNには、ユーザーのプレイスタイルに合わせて選べる複数のゲームモードが用意されています。
Solo Mode(ソロ・モード)
最も基本的で、全てのユーザーが利用するモードです。NFTスニーカーを装備し、「START」ボタンを押して屋外を移動することで、エネルギーを消費しながらGST(またはレベル30でGMT)を獲得します。このモードでは、GPSの電波が安定していることが重要で、電波が弱いと正常に計測されず収益が得られない場合があります。また、スニーカーのタイプに応じた適正速度を維持することも求められます。
Marathon Mode(マラソン・モード)
このモードは、現在開発中であり、将来的にはウィークリー(週次)またはマンスリー(月次)で開催されるイベント形式のモードとなる予定です。ユーザーは開催前に参加登録を行い、定められた距離(例:2.5km, 5km, 10km)を一度に走り切ることを目指します。完走者には報酬が与えられ、ランキング上位者にはさらに豪華な報酬(GST/GMTや特別なNFTバッジなど)が用意されるとされています。コミュニティ内での競争要素を取り入れた、よりゲーム性の高いモードです。
Background Mode(バックグラウンド・モード)
このモードは、STEPNアプリを完全に閉じていても、スマートフォンのヘルスケアアプリと連携して歩数をカウントし、GSTを稼ぐことができる機能です。エネルギーを消費することなく、1日の歩数上限(現在は10,000歩)まで収益を得られます。ただし、獲得できるGSTの量はSolo Modeに比べて大幅に少なくなります。それでも、日常生活の歩数が少しでも収益に繋がるため、非常に便利な補助機能と言えるでしょう。この機能を利用するには、アプリ内でBackground Modeを有効にしておく必要があります。
STEPNの始め方【5ステップ】
STEPNの仕組みを理解したら、いよいよ実践です。ここでは、全くの初心者がSTEPNを始めるための具体的な手順を5つのステップに分けて、注意点も交えながら詳しく解説します。専門用語が多く登場するプロセスですが、一つひとつ丁寧に進めれば誰でも完了できます。
① 国内の仮想通貨取引所で口座を開設する
STEPNのNFTスニーカーを購入するには、まず仮想通貨が必要です。STEPNは複数のブロックチェーンに対応していますが、最も一般的なのはSolana(ソラナ/SOL)ブロックチェーンです。そのため、まずは日本円で仮想通貨を購入できる国内の取引所で口座を開設し、Solana(SOL)を購入する準備を整えましょう。
なぜ国内の取引所が必要かというと、日本の法律上、日本円を直接入金して仮想通貨を購入できるのは、金融庁の認可を受けた国内の暗号資産交換業者に限られているからです。海外の取引所に直接日本円を入金することはできません。
口座開設の手順(一般的な流れ):
- 取引所を選ぶ: 取り扱い通貨の種類、手数料、アプリの使いやすさなどを比較して、自分に合った取引所を選びます。Solana(SOL)を取り扱っている取引所を選ぶ必要があります。
- アカウント登録: 選んだ取引所の公式サイトにアクセスし、メールアドレスとパスワードを設定してアカウントを作成します。
- 本人確認(KYC): 法律に基づき、本人確認が必須となります。運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなどの本人確認書類をスマートフォンで撮影し、オンラインで提出します。最近では「スマホでかんたん本人確認」などのサービスにより、数時間〜1営業日程度で審査が完了することが多いです。
- 二段階認証の設定: 不正アクセスを防ぐため、SMS認証やGoogle Authenticatorなどの認証アプリを使った二段階認証を必ず設定しましょう。これは自身の資産を守るために非常に重要です。
口座開設が完了したら、指定された銀行口座に日本円を振り込み、その資金でSolana(SOL)を購入します。これで、STEPNを始めるための元手となる仮想通貨の準備が整いました。
② STEPNアプリをダウンロードしてアカウントを作成する
次に、お使いのスマートフォンにSTEPNの公式アプリをダウンロードします。
- iPhoneの場合: App Storeで「STEPN」と検索
- Androidの場合: Google Playストアで「STEPN」と検索
必ず公式サイトへのリンクや、ストアの評価、ダウンロード数などを確認し、偽アプリをダウンロードしないように注意してください。アプリをインストールしたら、起動してアカウントを作成します。
アカウント作成の手順:
- アプリを起動し、メールアドレスを入力します。
- 「Send Code」をタップすると、入力したメールアドレスに6桁の認証コードが届きます。
- メールを確認し、認証コードをアプリに入力してログインします。
以前は、アカウント作成に「アクティベーションコード(招待コード)」が必須でしたが、現在はこの制度は撤廃されており、コードなしで誰でもアカウントを作成できます。この変更により、新規ユーザーの参入障壁が大幅に下がりました。(参照:STEPN 公式サイト)
③ アプリ内でウォレットを作成する
アカウントを作成したら、次にアプリ内で仮想通貨を保管するための「ウォレット」を作成します。STEPNアプリには、役割の異なる2つのウォレットが存在します。
- Spending Wallet (スペンディングウォレット): アプリ内でNFTスニーカーの購入や修理、レベルアップなど、ゲームプレイに直接使う資金を保管するウォレットです。
- Wallet (ウォレット): 外部の取引所との間で仮想通貨を送受信するための、ブロックチェーンに直接接続された非中央集権型のウォレットです。
まずは、外部から仮想通貨(この場合はSOL)を受け取るために「Wallet」を作成します。
ウォレット作成の重要ステップ:
- アプリのトップ画面右上にあるチェーンのアイコン(例: Solanaのロゴ)をタップし、「Wallet」を選択します。
- 「Create a new wallet」をタップします。
- パスコード(6桁の数字)を設定します。これはアプリ内での取引時に使用します。
- 最も重要な「シークレットリカバリーフレーズ(12個の英単語)」が表示されます。
この12個の英単語(シークレットリカバリーフレーズ)は、あなたのウォレットを復元するための唯一の鍵です。これがなければ、スマートフォンを紛失したり、アプリをアンインストールしたりした場合に、ウォレット内の資産を永久に失うことになります。逆に、このフレーズが第三者に漏洩すると、ウォレット内の資産をすべて盗まれてしまいます。
【シークレットリカバリーフレーズの正しい保管方法】
- 絶対にスクリーンショットで保存しない。 (ハッキングのリスク)
- 絶対にクラウドサービス(Google Drive, Dropboxなど)にテキストで保存しない。 (不正アクセスのリスク)
- 紙に正確に書き写し、複数箇所に分けて、誰にも見られない安全な場所(金庫など)に保管する。
- 絶対に誰にも教えない。(STEPNの運営やサポートが尋ねることは絶対にありません)
このフレーズの管理は自己責任です。この重要性を理解した上で、慎重に保管してください。
④ 取引所からウォレットに仮想通貨を送金する
ウォレットの準備ができたら、ステップ①で開設した国内取引所から、STEPNアプリの「Wallet」にSolana(SOL)を送金します。
送金手順:
- STEPNアプリで入金アドレスを確認:
- STEPNアプリの「Wallet」を開きます。
- 画面上部にある、英数字の羅列(これがあなたのウォレットアドレスです)をコピーします。
- 国内取引所で出金手続き:
- 利用している国内取引所のアプリまたはウェブサイトにログインします。
- 「入出金」や「送金」といったメニューから、保有しているSOLを選択します。
- 「送金」または「出金」を選び、STEPNアプリでコピーしたウォレットアドレスをペーストします。
- 送金するSOLの数量を入力します。
- 宛先アドレスが絶対に間違っていないか、複数回確認してください。 ブロックチェーンの送金は一度実行すると取り消すことができず、アドレスを間違えると資産は失われます。
- 二段階認証などを行い、送金手続きを完了させます。
送金手続き後、数分から数十分程度でSTEPNアプリの「Wallet」にSOLが着金します。ブロックチェーンの混雑状況によっては、もう少し時間がかかる場合もあります。
⑤ アプリ内でNFTスニーカーを購入する
「Wallet」にSOLが着金したら、いよいよ最後のステップ、NFTスニーカーの購入です。
- Spending Walletへ資金を移動:
- まず、「Wallet」内にあるSOLを、ゲーム内で使える「Spending Wallet」に移動させる必要があります。
- 「Wallet」画面で「Transfer」をタップし、「To Spending」を選択します。
- 移動させたいSOLの数量を入力して、送金を完了します。この際、少額のガス代(ブロックチェーン手数料)がかかります。
- マーケットプレイスでスニーカーを探す:
- アプリ画面下部の中央にある、ショッピングカートのアイコンをタップして、マーケットプレイスに移動します。
- 画面上部の「Filter(フィルター)」機能を活用して、希望のスニーカーを絞り込みます。
- Type: Walker, Jogger, Runner, Trainerから選ぶ。
- Quality: Common, Uncommonなどから選ぶ。
- Level: スニーカーのレベル。
- Mint: ミント(新しいスニーカーの生成)が行われた回数。ミント回数が多いほど、次のミントコストが高くなるため、0回のものが好まれます。
- スニーカーを選んで購入:
- 購入したいスニーカーを見つけたら、タップして詳細画面を開きます。
- パラメーター(Efficiency, Luck, Comfort, Resilience)の初期値をよく確認しましょう。同じレアリティ、同じレベルでも、この初期値によって将来の性能が大きく変わります。一般的に、EfficiencyとResilienceの合計値が高いものが好まれます。
- 内容に問題がなければ、「Buy」ボタンをタップし、確認画面で再度「Confirm」をタップすると購入が完了します。
これで、あなたは晴れてSTEPNプレイヤーの一員です。購入したスニーカーを装備し、エネルギーがある状態で「START」ボタンを押して、Move to Earnの生活を始めましょう。
STEPNの効率的な稼ぎ方
STEPNを始めた多くのユーザーが目指すのは、もちろん「効率的に稼ぐ」ことです。単に歩くだけでなく、STEPNには多様な収益化の方法が存在します。ここでは、基本的な稼ぎ方から少し応用的な戦略まで、7つの方法を紹介します。これらの方法を組み合わせることで、収益を最大化することが可能です。
歩いたり走ったりしてGSTを稼ぐ
これがSTEPNにおける最も基本的かつ中心的な稼ぎ方です。購入したNFTスニーカーを装備し、エネルギーを消費して屋外を移動することで、ゲーム内トークンであるGSTを獲得します。
効率的にGSTを稼ぐためのポイントは以下の通りです。
- 適正速度の維持: 前述の通り、スニーカーのタイプ(Walker, Joggerなど)に定められた速度域を維持することが最も重要です。速度が速すぎたり遅すぎたりすると、GSTの獲得効率が著しく低下します。スマートフォンの画面で常に速度を確認しながら歩きましょう。
- 高いEfficiency(効率性): スニーカーのパラメーターのうち、GST獲得量に直接影響するのがEfficiencyです。レベルアップで得たポイントは、優先的にEfficiencyに振り分けるのがGST稼ぎの基本戦略です。
- エネルギーを無駄にしない: エネルギーは6時間ごとに25%回復します。エネルギーが上限に達したまま放置すると、その間の回復分が無駄になってしまいます。生活リズムに合わせて、エネルギーをこまめに消費することが、1日の総収益を増やすことに繋がります。
- GPSの安定: GPSの電波が弱い場所(屋内、高層ビル街、トンネルなど)では、移動距離が正しく計測されません。開けた公園や河川敷など、GPSが安定して受信できる場所で運動するのがおすすめです。
この方法は、日々の継続が力となります。毎日コツコツと歩くことで、安定した収益基盤を築くことができます。
特定の条件下でGMTを稼ぐ
GSTよりも希少価値の高いGMT(Green Metaverse Token)を稼ぐことは、STEPNにおける次のステップと言えます。GMTを稼ぐためには、以下の条件を満たす必要があります。
- スニーカーのレベルが30であること。
- アプリ内でGST獲得モードからGMT獲得モードに切り替えること。
GMTの獲得量は、スニーカーのComfort(快適性)パラメーターの数値に大きく依存します。そのため、GMT稼ぎを主目的とする場合は、レベルアップポイントをComfortに重点的に振り分けた「GMT特化型スニーカー」を育成する必要があります。
GMTは発行上限が定められているため、GSTに比べて価格が安定しやすい、あるいは長期的に上昇する可能性があります。将来的な価値を見据えて、レベル30のスニーカーを保有し、市場の状況に応じてGSTとGMTのどちらを稼ぐかを選択できる状態にしておくことは、非常に有効な戦略です。
スニーカーをミント(生成)して売却する
STEPNでは、2足のNFTスニーカーを保有していると、それらを「親」として新しいスニーカー(ミントボックス)を生成する「ミント」を行うことができます。生成されたミントボックスからは、新しいNFTスニーカーが1足生まれます。
ミント戦略の流れ:
- レベル5以上のスニーカーを2足用意する。
- ミントに必要なコスト(GSTとGMT)を支払う。コストは親スニーカーのミント回数やレアリティによって変動します。
- ミントを実行し、ミントボックスを受け取る。
- ミントボックスを開封し、新しいスニーカーを入手する。
- 入手したスニーカーをマーケットプレイスで売却する。
この戦略の利益は、「売却価格 – ミントコスト」で決まります。ミントコストよりもスニーカーの市場価格が高い状況であれば、利益を生み出すことができます。生まれてくるスニーカーのレアリティは親スニーカーのレアリティに依存し、稀に1つ上のレアリティのスニーカーが生まれることもあります(例: Common同士のミントからUncommonが生まれる)。この「ミントガチャ」的な要素も、この戦略の魅力の一つです。市場の動向を常にチェックし、採算が合うタイミングでミントを実行することが重要です。
スニーカーをレベルアップさせて売却する
これは、いわゆる「転売」に近い戦略ですが、付加価値をつけて利益を狙う方法です。
レベルアップ売却戦略の流れ:
- マーケットプレイスで、レベルが低く(例: レベル0やレベル5)、かつ初期パラメーターが優秀なスニーカーを比較的安価で購入します。
- GSTと時間をかけて、そのスニーカーを一定のレベル(例: レベル9やレベル19)まで育成します。
- レベルアップで得たポイントを、EfficiencyやResilienceなどにバランス良く、あるいは特化させて振り分け、スニーカーの価値を高めます。
- 育成したスニーカーを、購入時よりも高い価格でマーケットプレイスに出品し、売却します。
この戦略のポイントは、「将来性の高い原石」を見つけ出す目利きと、育成にかかるコスト(GSTや時間)を上回る利益が出るように価格設定を行うことです。特に、パラメーターの初期値が高いスニーカーは、高レベルになった際の性能が大きく向上するため、市場でも高く評価される傾向にあります。
スニーカーをレンタルして貸し出す
この機能は、まだ本格実装はされていませんが、STEPNのロードマップに組み込まれている将来的に非常に重要な収益源です。(※一部機能が限定的に実装・テストされている段階です)
レンタル機能が実装されると、NFTスニーカーを保有しているオーナーは、自分のスニーカーを他のプレイヤーに貸し出すことができます。借り手は初期費用なしでSTEPNを始めることができ、歩いて稼いだ収益は、契約に基づいてオーナーと借り手との間で分配されます(例: オーナー70%、借り手30%)。
この機能は、以下のようなメリットをもたらします。
- オーナー側: 複数のスニーカーを保有している場合、自分で歩くだけでなく、使っていないスニーカーを貸し出すことで、受動的な収入(インカムゲイン)を得られる。
- 借り手側: 高額な初期投資をすることなく、Move to Earnを体験できる。
- エコシステム全体: 新規ユーザーの参入障壁を劇的に下げ、STEPN経済圏の拡大に貢献する。
複数のスニーカーを保有し、それらを貸し出すことで安定した収益フローを構築することは、STEPNにおける究極の稼ぎ方の一つになる可能性があります。
ジェムを売却して稼ぐ
スニーカーには「ソケット」と呼ばれるスロットがあり、ここに「ジェム」を装着することで、パラメーターを強化できます。
- Efficiencyジェム: Efficiencyを向上
- Luckジェム: Luckを向上
- Comfortジェム: Comfortを向上
- Resilienceジェム: Resilienceを向上
これらのジェムは、主にLuckのパラメーターが高いスニーカーで歩いた際にドロップする「ミステリーボックス」から入手できます。ジェムにはレベルがあり、同じレベル・同じ種類のジェムを3つとGSTを消費して合成することで、1段階上のレベルのジェムにアップグレードできます(失敗する可能性もあります)。
高レベルのジェムはマーケットプレイスで高値で取引されるため、Luck特化型のスニーカーでミステリーボックスを効率的に集め、入手したジェムを売却することも有力な稼ぎ方です。
ミステリーボックスを開封して稼ぐ
前述の通り、ミステリーボックス(MB)はLuckの数値に応じてドロップします。MBにはレアリティがあり、開封するとGSTやジェム、時にはミント用のスクロールなど、様々なアイテムが入っています。
MBの開封には一定の待ち時間とGSTコストがかかります。高品質なMBからは高レベルのジェムが出現する可能性があり、開封コストを大きく上回るリターンを得られることがあります。これは運の要素が強い戦略ですが、Luckに投資することで、日々のGST獲得に加えて、一攫千金のチャンスを狙うことができます。多くのプレイヤーは、GSTを稼ぐためのメインスニーカーとは別に、Luckに特化した「宝箱拾い用」のスニーカーを保有して、この戦略を実践しています。
STEPNを始める上での注意点とリスク
STEPNは夢のあるプロジェクトですが、投資やゲームの性質上、いくつかの注意点とリスクが存在します。これらを十分に理解し、許容できる範囲で参加することが、健全に楽しむための大前提です。ここでは、事前に知っておくべき重要なポイントを5つ解説します。
初期費用がかかる
STEPNを始めるためには、最低でも1足のNFTスニーカーを購入する必要があり、これには初期投資が必要です。スニーカーの価格は、仮想通貨(SOL、ETH、BNBなど)の市場価格や、STEPN内の需要と供給のバランスによって常に変動しています。
一時期は1足10万円以上したこともありましたが、市場が落ち着いた現在では、数千円から数万円程度で購入できることが多くなっています。それでも、全くの無料で始められるわけではないという点は理解しておく必要があります。最初に投資した資金を回収する(原資回収)までには、ある程度の期間、継続してプレイする必要があります。必ず生活に影響の出ない余剰資金の範囲内で始めるようにしましょう。
仮想通貨の価格変動リスクがある
STEPNのエコシステムは、GST、GMT、そして基盤となるブロックチェーンのネイティブトークン(SOLなど)といった複数の仮想通貨に依存しています。これらの仮想通貨の価格は、市場全体の動向やプロジェクトに関するニュースなど、様々な要因で激しく変動します。
例えば、GSTの価格が下落すれば、同じだけ歩いても日本円換算での収益は減少します。逆に、SOLの価格が下落すれば、これからスニーカーを購入する人にとっては、より安く始められるチャンスとなります。このように、収益性や初期費用は常に変動のリスクに晒されています。
「稼いだトークンをいつ、どの通貨に交換するか」という判断も、トータルでの収益を左右する重要な要素になります。価格変動はリスクであると同時に、うまく立ち回れば利益を最大化するチャンスにもなり得ますが、常に資産価値が下落する可能性があることは念頭に置いておく必要があります。
ポンジスキームではないかという懸念
STEPNを含む多くの「X to Earn(〜して稼ぐ)」プロジェクトには、「ポンジスキームではないか?」という批判がつきまといます。ポンジスキームとは、新規参加者から集めた出資金を、既存の参加者への配当に充てることで、あたかも運用が成功しているかのように見せかける詐欺手法です。
STEPNの構造がこれに似ていると指摘されるのは、新規ユーザーがスニーカー購入に支払った資金が、既存ユーザーがGSTを換金する際の原資の一部になっている側面があるからです。もし新規参入者が完全にいなくなれば、トークンの売り圧力が買い圧力を上回り、トークン価格が暴落してシステムが維持できなくなるのではないか、という懸念です。
この懸念に対し、STEPN運営は持続可能な経済圏(エコシステム)を構築するための様々な対策を講じています。
- 外部収益の確保: 大手ブランドとの提携によるロイヤリティ収入や、マーケットプレイスの手数料(取引額の6%)などをプロジェクトの収益源とし、トークン経済だけに依存しない体制を目指しています。
- トークンのバーン(焼却): スニーカーの修理、レベルアップ、ミント、エンハンスなどで消費されたGST/GMTは、市場から永久に取り除かれます(バーン)。これにより、トークンの供給量を調整し、インフレを抑制しています。
- 多様なユーティリティ: トークンにゲーム内での多様な使い道(ユーティリティ)を持たせることで、単純な換金目的の売り圧力を減らしています。
これらの対策により、単純なポンジスキームとは一線を画し、長期的なプロジェクト運営を目指していることは確かです。しかし、プロジェクトの持続可能性が完全に保証されているわけではないというリスクは、常に認識しておくべきです。
スニーカーの修理費用がかかる
Move to Earnで運動すると、スニーカーの「耐久度(Durability)」が減少していきます。この耐久度が一定以下(50/100)になると、GSTの獲得効率が90%に低下し、さらに減少すると(20/100)、獲得効率は10%まで落ち込んでしまいます。
これを防ぐためには、定期的にGSTを消費してスニーカーを修理する必要があります。修理を怠ると、せっかく歩いてもほとんど稼げなくなってしまいます。つまり、稼いだGSTの一部は、必ずメンテナンスコストとして再投資する必要があるのです。
この修理費用を抑えるために重要なのが、Resilience(耐久性)パラメーターです。Resilienceの数値が高いほど、運動による耐久度の減少が緩やかになり、結果的に修理にかかるGSTを節約できます。日々の収益を最大化するためには、Efficiencyだけでなく、Resilienceにも適切にポイントを振り分けることが賢明な戦略となります。
詐欺サイトやハッキングに注意する
人気のあるプロジェクトには、残念ながら詐欺師やハッカーが群がってきます。STEPNユーザーを狙った詐欺も数多く報告されており、自己防衛の意識が非常に重要です。
- フィッシング詐欺: STEPNの公式サイトやマーケットプレイスに酷似した偽サイトを作成し、ユーザーを誘導してウォレットを接続させ、資産を抜き取る手口です。URLが公式のものと完全に一致しているか、ブックマークからアクセスするなど、細心の注意が必要です。
- 偽のサポートやエアドロップ: X(旧Twitter)やDiscordなどで、「STEPNのサポートです」「限定エアドロップ(無料配布)があります」などと偽り、DM(ダイレクトメッセージ)を送ってくるアカウントに注意してください。リンクをクリックさせたり、シークレットリカバリーフレーズを聞き出そうとしたりします。公式の運営がDMで個人に連絡を取ったり、リカバリーフレーズを尋ねたりすることは絶対にありません。
- 偽アプリ: 公式のアプリストア以外で配布されているapkファイルなど、非公式のアプリは絶対にインストールしないでください。マルウェアが仕込まれている可能性があります。
繰り返しになりますが、ウォレットのシークレットリカバリーフレーズとパスワードは、あなたの資産を守る最後の砦です。これらを絶対に誰にも教えず、安全な方法で管理することを徹底してください。
STEPNの将来性
様々なリスクを抱えつつも、STEPNは今後も成長が期待されるプロジェクトです。その将来性を占う上で、鍵となるいくつかのポジティブな要素について考察します。
大手ブランドとの提携実績
前述の通り、STEPNはすでに世界的なスポーツブランドやプロスポーツチームとの提携を実現しています。これは、STEPNが単なる暗号資産プロジェクトではなく、現実世界の有力企業からも認められるプラットフォームであることを証明しています。
- ブランド価値の向上: 大手ブランドとの提携は、STEPN自体の信頼性とブランドイメージを大きく向上させます。
- マスアダプション(大衆への普及): 提携ブランドのファン層など、これまでWeb3に触れたことのなかった新しいユーザー層を取り込むきっかけとなります。限定コラボNFTスニーカーなどは、強力な集客ツールです。
- 新たな収益源: これらの提携から得られる収益は、プロジェクトの財源を強化し、トークン経済への依存度を下げ、エコシステムの持続可能性を高めます。
今後も様々な業界のトップブランドとの提携が進むことで、STEPNはWeb3と現実世界を繋ぐ架け橋としての地位を、より強固なものにしていくでしょう。このクロス・マーケティング戦略は、STEPNの長期的な成長を支える重要な柱です。
レンタル機能の実装計画
初期費用なしで始められるレンタル機能の本格実装は、STEPNのユーザーベースを爆発的に拡大させるポテンシャルを秘めています。現状では、NFTスニーカーを購入するというハードルが、新規参入者にとって大きな壁となっています。
レンタル機能が一般化すれば、以下のような好循環が生まれると期待されます。
- 新規ユーザーが初期投資ゼロで参入し、Move to Earnを体験する。
- 借り手が増えることで、スニーカーを貸し出したいオーナー側の需要も高まる。
- レンタル市場が活性化し、スニーカーの資産価値が安定する。
- ゲーム内での活動が活発になり、GST/GMTの消費(バーン)も促進され、トークン経済が健全化する。
この機能は、STEPNを一部の投資家やアーリーアダプターのものから、誰もが気軽に楽しめるヘルスケアアプリへと進化させるための重要な鍵となります。
複数のブロックチェーンへの対応(マルチチェーン展開)
STEPNは当初、高速・低コストな取引が可能なSolana(ソラナ)ブロックチェーン上でスタートしました。しかし、その後、世界最大の取引所Binanceが主導するBNB Chain(旧BSC)、そしてイーサリアム(Ethereum)ブロックチェーンにも対応を果たし、マルチチェーン展開を進めています。
これら異なるブロックチェーンは、STEPNアプリ内では「Realm(レルム)」と呼ばれ、それぞれが独立した経済圏を持っています。ユーザーはレルムを切り替えてプレイすることが可能です。
- Solana Realm (SOL Realm): 最初にリリースされたレルム。ユーザー数が最も多い。
- BNB Chain Realm (BNB Realm): 2番目にリリースされたレルム。Binanceの強力なエコシステムを背景に持つ。
- Ethereum Realm (ETH Realm): 3番目にリリースされたレルム。APE Realmとも呼ばれ、人気NFTプロジェクト「Bored Ape Yacht Club」のApeCoin(APE)ホルダーを対象とした側面も持つ。
マルチチェーン展開には、以下のような戦略的なメリットがあります。
- ユーザー基盤の拡大: 各ブロックチェーンの経済圏にいるユーザーを、新たに取り込むことができます。
- リスク分散: 特定のブロックチェーンに障害が発生した場合でも、他のレルムでサービスを継続できます。
- 多様なニーズへの対応: 各チェーンの特性(ガス代、取引速度、コミュニティなど)に応じて、ユーザーが自分に合った環境を選べるようになります。
このように、特定のブロックチェーンに依存せず、Web3の世界全体へとネットワークを広げていく戦略は、STEPNの将来的な安定性と発展性を大きく高めるものと言えるでしょう。
STEPNに関するよくある質問
最後に、これからSTEPNを始めようとする方や、始めたばかりの方が抱きがちな疑問について、Q&A形式でお答えします。
初期費用はいくらくらいですか?
STEPNの初期費用は、NFTスニーカーの最低価格によって決まり、その価格は常に変動しています。スニーカーの価格は、基盤となる仮想通貨(主にSOL)の価格と、ゲーム内の需要と供給によって左右されます。
相場を確認するには、STEPNアプリ内のマーケットプレイスで、スニーカーを価格の安い順(Lowest Price)にソートしてみるのが最も確実です。2024年現在、市場が落ち着いている時期であれば、最も安いCommonのWalkerで数千円〜1万円台程度から始められることが多いようです。ただし、これはあくまで目安であり、仮想通貨市場が活況になれば、再び数万円単位になる可能性も十分にあります。最新の価格は、必ずご自身でアプリ内で確認してください。
今から始めても稼げますか?
結論から言うと、今から始めても稼ぐこと自体は可能です。ただし、プロジェクト初期のブームが起きていた時期のような、短期間で莫大な利益を上げることは難しくなっています。
現在のSTEPNは、投機的な熱狂が落ち着き、より持続可能なヘルスケアアプリとしての側面にシフトしています。日々の運動のインセンティブとして、お小遣い程度の収益を得る、というスタンスで始めるのが現実的です。稼げる金額は、GST/GMTの価格、保有するスニーカーの性能、そして何より本人がどれだけ継続して運動できるかにかかっています。過度な期待はせず、健康習慣のついでに収益も得られる、というくらいの気持ちで始めるのがおすすめです。
原資回収はできますか?
原資回収(初期投資額を上回る収益を上げること)ができる可能性はありますが、保証はされていません。原資回収までにかかる期間は、以下の多くの不確定要素に依存します。
- 初期投資額(スニーカーの購入価格)
- 日々の運動量と継続期間
- スニーカーの性能(特にEfficiencyとResilience)
- GSTおよびGMTの市場価格
- 基軸通貨(SOLなど)の市場価格
例えば、GSTの価格が購入時より上昇すれば原資回収期間は短くなりますし、下落すれば長くなります。市場の状況によっては、原資回収が困難になる、あるいは不可能になるリスクも存在します。投資である以上、元本が保証されないリスクは常に伴うことを理解しておく必要があります。
日本語には対応していますか?
はい、STEPNのアプリは完全な日本語に対応しています。メニューや説明文などが自然な日本語で表示されるため、英語が苦手な方でも直感的に操作することが可能です。このローカライズ対応の丁寧さも、日本で多くのユーザーを獲得した理由の一つです。
アクティベーションコード(招待コード)は現在も必要ですか?
いいえ、現在、STEPNを始めるためにアクティベーションコード(招待コード)は必要ありません。(参照:STEPN 公式Medium)
プロジェクトの初期段階では、ユーザー数の急増をコントロールし、サーバーの負荷を安定させる目的で、既存ユーザーから発行されるアクティベーションコードがないと新規登録ができない招待制が採用されていました。しかし、システムが安定した現在ではこの制度は撤廃され、誰でもメールアドレスさえあれば自由にアカウントを作成できるようになっています。